Emulsification(通常盤)>オリジナルフルアルバム>タイトル:Emulsification>アーティスト:FIVE NEW OLD>リリース日:2019年 9月 11日>記事作成日:2019年 10月 12日




聴きました!
レコード会社・TOYS FACTORYのTwitterアカウントで、やたらと頻繁に取り上げられているこのバンド。他の所属アーティストの取り上げられ頻度と露骨に違うように感じて、「よっぽど肝煎りなんだろうか」と思ったりしております。「ってコトは、ミスチル、バンプに続く系?」とも思ったりしたけど、音を聴く限りではそーゆーのともちょっと違うのかな?と。正統派ロックバンドというよりは、ちょっとお洒落なポップロック系?今時と言えばイマドキ。いずれにしても、お名前はよく目にしていましたが、音源を聴くのは今回が初めてです。


『Fast Car』ベースは肉体感を伴った太い雰囲気で、ドラムスは軽快で洒脱。リズム隊の二者が違うイメージで鳴ってるのが、なんか新鮮。けどそれは「統一感がない」とか「バラバラ」ってのとは違くて。なんか、面白い。ギターもキラキラしててシンセも効いてるので「デジポップチューン」って感じなんだろうけど、それだけじゃない面白さ。
『Keep On Marching』なんか、すごく、洋楽っぽい…うわぁ、自分のボキャブラリーの貧困さにゾッとする(笑)洋楽をほぼ一切聴かないので、ほんと、「なんか洋楽っぽい」としか言えないんですが…ビルボードトップ100とかで流れてきそうな。この人たち、バンドなんだと思うけど、サウンド的にはあんまりそこに拘ってなさそうな。
『Magic』この曲も、打ち込みっぽい“整った”音がするミドルバラード。これ、バンドの音なのか?   均整が取れすぎていて、打ち込みにしか聴こえない…それこそ洋楽のソロボーカリストの曲っぽい雰囲気。透明感のある、暖かな雨の日の景色が思い浮かびました。お洒落なシティポップ感は嫌いじゃないけど、どうしても「バンドなんだよね?生音なんだよね??」という変なところの引っ掛かりが抜けない(笑)   音楽は編成じゃないと、分かってるつもりなんだけど。
『What's Gonna Be?』急転直下の“邦楽感”。ヒゲダンかと思った…なんてキャッチーなんだ。なおかつオシャレなんだ。跳ねるビートに心が軽くなる。リズミカルなビートに乗って、ステップでも踏んじゃいそうですよ。
『In/Out』しっとりとした、お洒落なミドルバラード。陽性の香りがして、スロウなテンポなんだけれども聴き手の気持ちは軽くなっていく。21世紀型のシティポップですね。透明度の高いシティポップに、ほんのりとアシッドジャズのフレーバーが香ります。
『Last Goodbye』エレガントなエレピの音と小気味の良いドラムスのリズムが気持ちいい。爽やかで健やかな感触の中に、ほんのりと感傷を残していく感じ。英詞なんで歌詞の意味はからっきしですが、サウンドの雰囲気と曲タイトルから想像するに、オトナの綺麗なグッバイだなこれは。
『Pinball』その名の通り、弾けるような曲。でも、スーパーボールのように軽い「だけ」ではない、重みも伴うまさにピンボールの感触(誰にも伝わってない気がするけど 笑)。ギターの音にヴィンテージ感があって、シンセの軽やかさとの相性がいい。甘いチョコと一緒にブラックコーヒーを飲むような心地よさ。
『Same Old Thing』無機的な感触の、クールなトラック。トラックは、ヴァースはグッと抑えたテンションで、サビで一気に弾ける構成。その感じなんかも含めて、本当に、洋楽チャートでよく見かけるような雰囲気。
『Set Me Free』淡々としているのに存在感が凄い、ドラムス。引くところは引くけど魅せるところは魅せる…このバンドの演奏陣は、どのパートもそれが上手なんでしょうなぁ。渋みの強い、オトナの色香が漂う曲。ジャジーで、アシッドで、ゾクゾクする程カッコいい。
『Gotta Find A Light』軽快なリズムと柔らかなメロディライン。そこにしなやかでセクシーなボーカルが乗っていて、凄く聴きやすいんだけどそこはかとなくファンクネスも感じる曲です。
『Always On My Mind』メロウなバラード。シルキーでしっとりとしたアレンジに、しなやかで繊細なボーカルラインが光ります。キーボードはちょっとファニーな音がする…?90年代の技術で録音したサウンドみたいな、馴染みのあるチープ感(?)。
『Please Please Please』軽快で洒脱なシティポップ。なんか、アルバムの後半に向かうにつれて、音(というかアレンジ)が低刺激な感じになって来てる印象。「つまらない」っていうのではないんだけど、さらりとした感じで聴ける。これもまさに洋楽的。ガッツリ「聴くぞ!」というよりは、BGMにいい感じ。
『Bad Behavior』ビートが太い曲。引き続きエレピがサウンドの真ん中にいるけど、ギターやリズム隊が上手にそれに絡んでいる。これくらい各々の音に存在感があるほうが、やっぱりぼくは好きだなぁ。90年代中盤〜ゼロ世代の、ジャンクフードみたいに刺激の強い音楽を聴いて育ったからなんだろうな。


そんな、計13曲。
まず断っておきたいのは…ぼくのボキャブラリーが貧弱なばっかりに「○○っぽい」とか「○○感」とか連発してますが、もちろん「パクってる」とか「カブってる」とか、あまつさえ「二番煎じ」とかそういう意図は一切ないという事だけご理解いただきたい…!
とにかくクールでスタイリッシュな音楽。一昔前まで、バンドなんてのは男臭く武骨なイメージしかなかったけど、このバンドはもう、ファッション雑誌の巻頭グラビアを飾る人みたいにスタイリッシュです。『Magic』のところにも書いたけど…良くも悪くも“バンド感”が薄かった。音楽の表現方法がここまで多様化したこの時代に「バンドってのは、ドラムとベースとギターのアンサンブルにこだわって…」なんてのはナンセンスだとは思います。一方で、「これ、もはやバンドっていうフォーマット、要らなくない?」って思う所もなきにしもあらず。例えばミスチルを取り上げて「鍵盤とストリングスが目立ち過ぎて、純粋なバンド(サウンド)って言えるのか?」っていう論争をしてきたような世代には、ちょっと「聴き方」が難しい作品(そしてバンド)であるように感じました。





お気に入りは、#01 『Fast Car』#04 『What's Gonna Be?』#07 『Pinball』




この作品が好きなら、・『エスカパレード』/Official髭男dism・『Application』/DATS・『Blank Envelope』/Nulbarichなどもいかがでしょうか。




サブスクにあれば聴くかな…レベル(^_^;)









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