東京スカパラダイスオーケストラトリビュート集 楽園十三景>トリビュートアルバム>タイトル:東京スカパラダイスオーケストラトリビュート集 楽園十三景>アーティスト:Various Artists>リリース日:2019年 3月 13日>記事作成日:2019年 6月 26日




聴きました!
スカパラの、デビュー30周年イヤーという事でリリースされたという本作。さすが、顔ぶれが豪華。でも、若手が多いんですね。まぁ、オリジナル作ではもっと大御所クラスとコラボしてますからね、「そういう作品を聴いてきた世代が、どんな解釈をするのか」っていうのも楽しめながら聴けて、それは面白かったですが。


『Paradise Has No Border -SKY-HI Remix-』からスタート。その名の通り、SKY-HIさんによる作品。フツーは「トリビュート」というと歌モノのカバーを思い浮かべますが、一曲目から、「既存の曲にオリジナルのラップを乗せる」という変則的な(?)内容の曲からのスタートですね。まぁ、「コピー」とは違って、「トリビュート」ってのはオリジナルにリスペクトさえあれば構成は関係ない気もするんで、これはこれでいいと思いますが。
04 Limited Sazabysによる『銀河と迷路』。爽やかでキラキラなオリジナルに比べて、若さが滲み出たパンキッシュな仕上がりになっているフォーリミver。ギターバンドとしてのアイデンティティを、アレンジに上手に反映させていると思います。
この名曲を、このベテランバンドが…10-FEETによる『DOWN BEAT STOMP』。もちろんテンフィの味も出ているのですが、グルーヴ感というかノリというか雰囲気というかがもう完全にスカパラな曲。それはもちろんダメな事なんかではなくて、むしろ素晴らしいトリビュート作品だと思うのです。オリジナルの熱を引き継いで、自身の味を足す。バランス感覚が素晴らしい曲。
続いては、大森靖子さんによる『ちえのわ』。まぁ、もちろんスカパラへのリスペクトが大前提としてあるのでしょうが、大森靖子さんがこの曲をチョイスすると、どうしても銀杏BOYZ・峯田さんへのリスペクトでありトリビュートなように思ってしまいますが…(笑)サウンドは、デジタルなビートを基調としたクールな仕上がり。ボーカルは、大森さん特有のエモーショナルが炸裂。
『追憶のライラック』は、ACIDMANの優しくて柔らかい音で。オリジナルの、ハナレグミさんによるバージョンも大好きだけれども…こっちはこっちで、凄くいい!   とにかく、ボーカル大木さんの包容力のある歌声と、柔軟さと力強さが同居するバンドアンサンブル。心がじんわりと温かくなる、そんな曲。
m-floではないほうのLiSAさんによる、『サファイアの星』。ぼくは正直このLiSAさんというお方の作品を殆ど拝聴した事がないのですが…普段からこんなにCHARAさんっぽい歌い方をする方なんですかね?   それとも、ぼくがオリジナルに引っ張られちゃってんのかな。サビの辺りとか、敢えてちょっと潰して歌う感じが、すごくCHARAさんっぽいなとぼくは感じました。
『愛があるかい?』。UNISON SQUARE GARDENさんによる、テクニカルながらもノリと勢いが光るアレンジ。普段のユニゾンよりも、凄く聴きやすい感じがしました。ユニゾンのオリジナルは、技巧的すぎてちょっと疲れちゃう場合があるので(笑)   緻密なんだけど緻密さを感じさせないこの曲は、とてもいい。
この組み合わせはもう「いい予感」しかしない、HEY-SMITHによる『Glorious』。ヘイスミが奏でるスカパラ、良くないハズがない!   もちろん、そんな期待を一切裏切らない仕上がり。スカパラ曲が持つグルーヴ感にヘイスミのパンキッシュなエネルギーが加味されて、ぶっ飛ぶ気持ち良さ。コーラ一気飲み?真夏の水遊び??…そんな爽快感(笑)
スペシャルバンド、VIVA LA J-ROCK ANTHEMS Feat. TERUによる『美しく燃える森』。ぼくはビバラに参加した事がないのでこのバンドの経緯と意図を知らず、なのでこの曲についてもちょっとした疎外感(?)を覚えるのは否めないのですが(笑)、曲自体はもう疑う余地のないカッコ良さ。オリジナルであるOTボイスとはまた違った湿度感のある、TERUさんの歌声。これが意外としっくり来たりして。サウンドも、亀田師匠を始めとする名だたるプレイヤーによる安定感のあるものに。爽やかさと骨太感が両立してる、良い音&アレンジ。
意外なアーティストによる意外な選曲、BiSHの『カナリヤ鳴く空』。オリジナルはチバユウスケさんによるコッッッテリとしたロックンロール…だけど、声もアプローチも質感も違うのに今回のBiSHさんのバージョンもオリジナルにどこか通じるものがあるコッテリ具合になってると感じました。これは、結構クセになるかも。
なんと、インスト曲にインストスタイルで参戦の氣志團による『砂の丘〜Shadow on the Hill〜』。すげー、これはチャレンジですね。氣志團って、(失礼かもしれないけど)ボーカル綾小路さんの、タレント性込みでの存在感がバンドのキーになっているのかと思ってた…でも、今回のインストナンバー、超カッコいい。綾小路さんの「声の演技力」に頼らずともしっっっかりとした仕上がりになってる。バンドとしての氣志團に、俄然注目!
キュウソネコカミによる『メモリー・バンド』。ピッチがそんなに外れてるわけでもないんだけど、なんかふわふわしてて安定感のないボーカルがここでも炸裂(笑)   いや、これは悪口ではないですよ?   これがキュウソだと思うし、歌や演奏がイヤに上手いバンドだったらこのキュウソの「味」は出てないと思うから。そういう意味で「キュウソらしい」いいテイクだとは思った…けど、もうちょっといつもの遊び心と皮肉屋の側面を何とかかんとか盛り込めなかったものか…とも思う(笑)
ラストは、『戦場に捧げるメロディー』byフジファブリック!!前半は、フォルクローレ的な「土の匂い」がするサウンド。中盤以降はラウドなリズム隊とダンサブルな打楽器勢の競演が聴き応えたっぷりのアレンジ。歌詞の重みも、ちゃんと伝わってきます。



そんな、計13曲。
スカパラのオリジナルが自由だからか、このトリビュート盤に関してもとても自由な雰囲気が伝わってきました。どのアーティストさんも、オリジナルの「風味」をちゃんと活かしながらもいいさじ加減で自分たちの個性を乗っけていたと感じます。まぁ、どーせなら、例えばインスト曲に歌をつけてみるとか2曲をマッシュアップしてみるとか、もっともっと奔放にやる人が居ても良かったのかな?とはちょっと思いましたが。




お気に入りは、#03 『DOWN BEAT STOMP』/10-FEET#05 『追憶のライラック』/ACIDMAN#07 『愛があるかい?』/UNISON SQUARE GARDEN#08 『Glorious』/HEY-SMITH#10 『カナリヤ鳴く空』/BiSH




この作品が好きなら、・『ROCK AND SYMPATHY -Tribute to the pillows-』/V.A.・『ユニコーン・トリビュート』/V.A.・『真心COVERS』/V.A.などもいかがでしょうか。




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