NIPPONNO ONNAWO UTAU Vol.6>オリジナルミニアルバム>タイトル:NIPPONNO ONNAWO UTAU Vol.6>アーティスト:NakamuraEmi>リリース日:2019年 2月 20日>記事作成日:2019年 4月 6日




聴きました!
待ってました、NakamuraEmi最新作!メジャーデビュー以降、(リード曲にアッパーチューンが多かったからかもしれないけど)ファイティングポーズが凛々しい感じの「強い」作品が続いていた気がするけど、本作はそれらに比べて穏やかで、たおやかで、しなやかな感じがしました。


そうは言いつつもパンチのあるタイトルの曲『バカか私は』からスタート。今回もキラーフレーズ満載ですね。湿度の低いアコースティックサウンドだから、尚更言葉のキレが映えに映えてる。大人になってからの尻もちは、本当に痛くて痛くてしょーがない。でも、もう笑っちゃうしかない。そうなんだよね、本当にそうなんだ。やる事やった上でつく尻もちは笑えるけれども、後ろめたさや気後れの伴う尻もちは死にたいくらいに恥ずかしい。せめて笑っていられるようにしていよう。「尻もちをつかないように」なんてのは、もう諦めたから(笑)
リード曲『雨のように泣いてやれ』。アッパーチューン以外がリード曲になるの、久しぶりですよねぇ。雨の日のようなしっとりとした柔らかさはありつつ、「重苦しさ」とか「ジメジメ」とかっていうネガティブなイメージとは無縁の、たおやかで力強くもある曲。決してポジティブでハッピーな側面をフィーチャーしたリリックもいう事でもないんだけど…聴き終えると、静かな決意が肚の真ん中にどすんと入ってくる感覚が味わえます。
軽快かつユーモラスな『女の友情』。リリックの意図とは異なる事は分かるんだけど、どうしてもリズムの切れ目に合わせて口ずさんでしまうので「女の友情〜 ハムより薄い〜」で止まっちゃうんですよね(笑)   その後の「そうでもねーよ〜」のほうが、きっと大事なのに。
これは、泣いちゃう…『いつかお母さんになれたら』。まずはもう、Emiさんの圧倒的に優しい歌声にヤラれます。それだけで、一旦感極まる。そして、「なんちゃって」で誤魔化す(?)まだ見ぬ我が子へのメッセージ。「我が子」というか、大切な存在すべてに向けてですかね。友達の子どもとかも、含めて。自分自身が、この先、我が子という存在に出会えるのかどうか分からない。出会うかもしれない。出会わないかもしれない。でも色んなカタチで命は受け継がれていくし、すでに子どもを育てている隣人や、自分を産んでくれた親や、愛してくれるすべての人へ、感謝の念を抱かずにいられません。
ハートフルな楽曲、『おむかい』。この方の作品で言うと『新聞』とかもそうだけども、向こう三軒両隣的な価値観がいいですよね。もちろん、リアルなそれにはめんどくささや煩わしさのほうが先に立つ部分もあるんだろうけど…いい事ばかりでも悪いことばかりでもないのが、「生活」なんだろうな。まぁ、ちょっと、お店としての「おむかい」のタイアップっぽい感じがしてそこだけ気になっちゃったけど。(別のアーティストのライブで配られたフライヤーで見ただけだけど)このお店でのイベントに出たりもしてるようなので、決して商業的な繋がりのある歌じゃないんだろうってのは分かってるんだけど。分かってるけど、「ステマじゃないよね?」って思っちゃって、思っちゃった自分が嫌になりました。これがステマなら『ハワイと日本』はハワイのステマ、『ボブ・ディラン』はボブ・ディランのステマ、『N』は中西麻耶さんのステマって事になっちゃうのにね(笑)
ヒューマンビートボックスがエッジ鋭く響き渡る『痛ぇ』。去年あたりから取り入れられてる、MC+ギター+HBBというライブの編成。それが、スタジオ作品にも反映され始めたんですね。ギター一本にはギター一本の、フルバンドにはフルバンドの良さがそれぞれあるけれども、この編成というのも結構好きかも。クール、カッコいい。リリックにある「重たいピストル」って、竹原ピストルさんの事なんですね。方法論は全く違うけど、どちらの作品も心の一番奥の部分にザックザックと突き刺さってきます。
『甘っちょろい私が目に染みて』。切々と歌われる、メロウなバラード。女性性について歌っていつつ、でも男女関係なく共感できる部分もあると思う。要は、「女性として(男性として)どう生きるか」よりも「どう生きるか」なんだろうな。
ラストは、配信版でもアナログ版でもチェック済みです『相棒』。肩の力の抜けた、爽やかで柔らかで涼やかな曲。今の時期(これを書いてるのは4月)、新緑に囲まれながら温もりを帯びた風を感じて聴いたらきっと最高に優しい気持ちになれましょう。


そんな、計8曲。
なんかちょっと、原点回帰といった感じでしょうか。もちろん「どこを原点とするのか?」なんて当人にしか分からないとは思うけれども…インディーズの頃の雰囲気と似たものを、本作に感じました。リリック的にも、「女性」に焦点を当てたものが多かった印象です。アルバムタイトルに沿ってるとも言えますね。派手さはそんなにないけれど、燻し銀なアルバムだと思います。
余談ですが…年度がわりなど、変化が大きい時には自分を鼓舞する音楽を聴きたくなるんですよね。今年度は職場のチームに新しい人を迎え入れる事になり、編成もちょっと変わり、緊張感が高まってきたので「何か音楽を聴かねば!」となって。そういう時、(無意識のうちに)選ぶのは大概Mr.Childrenでした。小・中学生の頃から、ずっと。そこにここ何年かで高橋優さんが加わって…この春は、Emiさんの『バカか私は』でした。Emiさんの作品は「単なる音楽」の枠を超えて、ぼくの人格形成に深く影響を与えてくれるアーティストなんだなぁと改めて思い、それが嬉しく感じました。




お気に入りは、#01 『バカか私は』#04 『いつかお母さんになれたら』#05 『おむかい』#06 『痛ぇ』




この作品が好きなら、・『sept』/alosotimu・『待つ、うらら』/カサリンチュ・『awamori four dayz magic…』/韻シストなどもいかがでしょうか。




CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/









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