人間>ベストアルバム>アーティスト:ぼくのりりっくのぼうよみ>タイトル:人間>リリース日:2018年 12月 12日>記事作成日:2019年 2月 10日




聴きました!
オリジナルアルバム『没落』と同時に発売された、ぼくりりさん最初で最後のベストアルバム。このところ音楽以外のザワつかせ方をしてるぼくりりさんですが、オリジナル盤『没落』と同様、ぼくはとにかく本作の「音楽の感想」に終始するつもりです。


爽やかさの強いサウンドの『SKY's the limit』からスタート。イントロなんか、ちょっと中田ヤスタカさん風なとこまでありますからね。小刻みなビートにアコギのリフが絡んでいって、そこに、終始フットワークの軽いMCが乗っかっていて。ぼくりり楽曲の中では数少ない(?)、聴いていてすっきりした気持ちになる曲。
重厚な世界観、『Be Noble』。サウンド面では結構アクティブなんだけれども、MCが放つ圧倒的な孤独感…孤独感というか、他者を寄せ付けないような雰囲気があって、孤高感が強い曲です。
この曲、本当に好きでした…『sub/objective』。適度な物悲しさと、適度な葛藤と、適度な都会感。どれもが「行き過ぎる」事なくちょうどいいさじ加減で盛り込まれているので、自分がそのドラマの主人公になったような感覚でこの曲の世界観に浸る事が出来ました。やっぱり、何度聴いたっていい曲。控えめに言って名曲。
一転して、生のバンドの躍動感が聴き応えある『罠』。SOIL&“PIMP”SESSIONSとのコラボ曲ですね。SOILの、華やかなんだけれども落ち着きとダンディズムに溢れる作風とぼくりりさんのMCとの相性の良さに、当時驚きを感じた記憶があります。普段のぼくりり感を残しつつ、新たな側面を堪能出来る曲。
この曲も大好きだったなぁ、『パッチワーク』。ビロードのような奥ゆかしい華やかさがあるトラックに、エモーショナルなんだけどシュッとした都会感もあるMCが重なって、絡み合って。アーバンな曲です。
柔らかさと優しさと、そこに切なさが香る『朝焼けと熱帯魚』。無感情な(ように見える)さよなら。でも、当然そこにあるのは単なる四文字の平仮名の羅列というワケではなくて…行間を読む楽しみがしやすいリリックですね。このバランスは、才能だと思います。
これも好きな曲、『CITI』。ラップとメロディが上手い事融合していて、言うならば「歌うラップ」。ぼくりりさんにはそもそもその傾向が強いけれども、この曲は特にそれが顕著に見て取れて。ひとつの「完成形」と言えるのではないでしょうか。
緊張感と緊迫感が張り巡らされた『Newspeak』。この曲はラップの要素が強いですね。トラックが非常にグルーヴィで…こういうグルーヴにラップを絡めるのって本当にセンスが必要だと思っているので「すげぇなぁ」とため息が出ちゃう曲です。
『Sunrise(re-build)』。本作は、キャリアの中からあらゆる曲をピックアップした「まさにベストアルバム」という選曲なワケですが…この中で「あー、やっぱ好きだなぁ」って感じるのって1st.アルバム『hollow world』の収録曲である率が高くて。やっぱりあのアルバムはまぎれもない名盤だよなぁと、改めて思うのでした。この曲も、そんな事を思ったなかの一曲。
2nd.アルバムのタイトルチューン『Noah's Ark』。繊細さが際立つ曲。繊細であるが故に、脆さも感じさせますが。他の曲と同様に緻密な組み方をしたトラックではあるんだけれども…いやむしろ緻密なサウンドだからこそ、ちょっとの振動で崩れ落ちてしまいそうな危うさを感じるのですよねぇ。例えるならば、シャンパンタワー的な?
『つきとさなぎ』。ササノマリイさんとの共作なんですよね。それぞれの音楽をそれぞれで聴いている時にはあまり気付かなかったけれども、こうして聴くとお互いの作風に相通じるものを感じますよねぇ。もちろん「曲が似てる」とかそーゆー意味ではなくて、温度感というか質感というか、そーゆーのが。
軽快なリズムで、『after that』。トラックだけで言うならorange pekoeとかdorlisとかを想起するような、オシャレでポップで華やかでカラフルな曲。単体で聴くと凄くいい曲なんだけど、この曲順で聴くと「急にどーした!?」となりかねないですね(笑)でも、ぼくりりさんの「奥行き」を知る意味でも、ベストアルバムにこの曲が収録されている事は重要な事だと思う。
ラストは『Black Bird』。アコースティックなサウンドとデジタルなビートが美しく融合している、優しくて柔らかくて感傷的な、圧倒的にメロウなバラード。メジャーデビューアルバムの一曲目…「ここから始まった」とも言える曲で最後の作品を締めくくるというのは、なんかよく分かんないけどグッとくる感じがありますねぇ。


そんな、計13曲。
いやぁ、思った以上に「懐かし」かった。つい最近出てきて一瞬で去っていったようなイメージのあるぼくりりさんですが、懐かしく感じるくらいに活動なさってたんですよねぇ。
こうして聴くと、改めて「もったいないなぁ」と思います。そのセンスが。まぁでも、創作活動なんてのはイヤイヤ続けても楽しくないし、楽しくなければ質が下がるし、質が下がるとがっかりしますもんね。
改めまして、お疲れ様でした。




お気に入りは、#03 『sub/objective』#04 『罠』#05 『パッチワーク』#07 『CITI』#09 『Sunrise(re-build)』#11 『つきとさなぎ』#13 『Black Bird』




この作品が好きなら、・『THE REVENGE OF SOUL』/45 AKA SWING-O・『Mr. CITY HIP HOP』/かせきさいだぁ・『RAP AMAZING』/BASIなどもいかがでしょうか。




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