Tank-top Festival in JAPAN(初回限定盤)(DVD付)>オリジナルフルアルバム>タイトル:Tank-top Festival in JAPAN>アーティスト:ヤバイTシャツ屋さん>リリース日:2018年 12月 19日>記事作成日:2019年 1月 8日




聴きました!
なんとなんと、ヤバT今年2枚目のオリジナルアルバム!しかも、2枚ともフルアルバムという。昨今、アーティストの収益の上げ方が「CD売上」から「ライブ(チケ代+グッズ)売上」に変わって、それに伴って「作品リリース頻度↘︎  ライブ頻度↗︎」という傾向に歯止めがかからないなかで…なんて頑張ってるんだ、ヤバT。それだけでグッと来ちゃう。


ほぼタイトル曲『Tank-top Festival 2019』からスタート。なんつーか…フツーにカッコいいサウンド。そしてフツーに印象的なメロディ。そこに乗っかる、タンクトップ(笑)    もう、のっけからヤバTが全力だ…うれしい!たのしい!大好き!アコギのストロークも効果的に入ったりして、地味にアレンジの幅が広がってるし。
既発シングルのリード曲、『KOKYAKU満足度1位』。色々と、しかも矢継ぎ早に、かつ歌詞っぽくない歌詞を、「ちゃんと」聴き取れるカタチで歌ってきたヤバT。言葉数が半端ないのに、何回か聴いたら口ずさめるようになっているという驚異の滑舌。それがヤバTの大きな特徴だと思ってたんだけど、この曲は、ちょっと、聴き取れなかった…。歌詞カードを開いて初めてクスッと出来るという感じなら、既にキュウソネコカミさんなどが拓いた道なので、ヤバTには滑舌において絶対王者でいて欲しいんですけどもね…まぁでも、サウンド面で、ラウドかつヘヴィなロックンロールサウンドをイメージしているのは明らかなので、そうなるとボーカルラインも低音域で推移させたほうがいいし、そうなるとちょっと聴き取りづらくなっちゃうのも致し方ないのかな。
これは、かなりの社会派ソングだと思う(笑)、『小ボケにマジレスするボーイ & ガール』。スルースキルって、ほんと大事ですよね。相手の顔が(自分の顔も)見えないからこそ、特に。ちなみに、この曲も言葉数ぎゅうぎゅうだけれどもちゃんと聴き取れる系なので安心。
『君はクプアス』。正直、シングルで聴いた時には今ひとつピンと来なかった曲。でも、今回このアルバムの流れの中で聴いたらなんかすっごい良かった!良かったというか、笑った!どんだけクプアスクプアス言ってんだよ(笑)   一番丸々使って、リスナーの「クプアスって何?」な気持ちを引っ張りまくる構成が既にツボ。で、ありぼぼさんパートが鬼のように冷静な視点なのもこれまたツボ。センチメンタルなブルースハープの音色にも笑ってしまう。どんだけ笑わせるんだ。音も歌もアレンジも、マジだからこその笑い。
初めて聴いた翌日には鼻歌となって出てきちゃった、『どすえ〜おこしやす京都〜』。どすえボンバーって、ちょっと強そうだから困る…。そしてこれ多分、もし京都にゆかりのない人が歌詞を書いてたらただの悪口(笑)
本作中でぼくが一番好きな曲、『大人の事情』。タダじゃ転ばないですね、こやまさん。アコギ弾き語りスタイルの、例えばゆずさんなんかを彷彿とさせる牧歌的かつほんのりセンチメンタルな曲。でも、歌詞が切な過ぎる…コンピレーションアルバムなり、サブスクのプレイリストなり、そういった類の「切ない曲特集」に、この曲をぜひ収録してほしい。サザンオールスターズ『TSUNAMI』よりも、Mr.Children『Over』よりも、スピッツ『楓』よりも、、、ゆず『からっぽ』よりもaiko『カブトムシ』よりも米津玄師『アイネクライネ』よりもback number『思い出せなくなるその日まで』よりも、断トツで切ない歌詞(笑)
この曲に共感出来ない人間で良かった、『リセットマラソン』。いや、理解は出来ちゃうんですけどね。で、マラソンが始まりそうな自覚もあるので、ぼくはソシャゲに手を出さないという。あ、そういやぼく、この曲と同じプレゼンで上司にタバコをやめさせた事があったな(笑)
シングル、『鬼POP激キャッチー最強ハイパーウルトラミュージック』。最近のヤバT(というかこやまさん)、ほんのり毒っ気があってほんのり社会派ですよね。歌詞に「言いたい事」が盛り込まれてる率が上がってきてる。
連綿と続くありぼぼさん曲、今回は『秋』。前作リリース時、『ベストジーニスト賞』に対してこやまさんが「こやま曲に意味のあるものが増えてきた分、ありぼぼ曲が下らなさを担保してる」的な事をどこかのインタビューで言っておられた気がするのですが、まさにそういう構図が見て取れる曲ですね。秋に対する想いをエモーショナルに歌い上げる、名曲です。
これもまた社会派ソング、『かかとローラー』。Aメロのエモい感じが最高です。アレンジも、全体的にオーソドックスではあるんだけれどもその分とにかくキャッチー。青春パンク世代にはどハマりなのではなかろうか、このセンチメンタルとメランコリー。車じゃなくて本当に良かった。地域のコミュニティを形成する一員として、そして1人の大人として…子どもたちの笑顔と夢と希望を守るために、何をすべきなのか、自分に何が出来るのか。悲しみのない世界、核兵器も戦争もない世界、更には来るべき宇宙時代に向けた地球市民としての自覚と信念とを胸に、明日にm
この曲好き、『ざつにどうぶつしょうかい』。何故、わざわざ動物を紹介しようと思ったのか(笑) ギュワンギュワン鳴っているギターが、ほんとにカッコいいんだよなぁ。ベースラインもシンプルながらアグレッシブだし。サウンドに注目して聴くと本当にカッコよくて、歌詞に注目して聴くと本当にくだらない(笑)
歌詞の完成度が無駄に高いぜ、『かわE』。こやまさんの歌詞には、自虐の伴わない自嘲があると思います。どうにもヘタレた視点なんだけど、決して卑屈さはなく。だから、嫌な気持ちになる事なく、歌詞で描かれる心当たりのあるダメエピソードでも笑って受け入れられるんですよね。なんなら、欠点みたいな部分を肯定的に捉える事すら出来る。こやまさんの歌詞って、実は凄く優しいんだ。
最後は青春のエモさと甘酸っぱさが弾ける『ゆとりロック』。歌詞ももう、最初から最後までモラトリアムでパンパン。タイトルは『ゆとりロック』だけど、多分こんなモヤモヤはどの世代だって何歳だって抱えていて。そう考えると「どういう教育を受けたか」よりも「どう生きるか」のほうが大事なんだろうなと思うし、「ゆとり世代だから…」って色眼鏡で見ちゃ本当にいけないなと思います。…なーんて、真面目なことになる脳を使ってしまう曲(笑)


そんな、計13曲。
今回も、バラエティ豊かなアルバムでした。まぁ、既発曲(シングルのリード曲&カップリング曲)が多かったかなぁとは思うけれども、そもそもあのボリュームのシングルをあれだけ連発出来るのが凄い。各曲の濃度が薄まる事なくこれだけのペースを保てるというのは、想像を絶する偉業。更には、産みの苦しみや思い通りにいかない事に対しても口汚く罵る事を一切せずに笑顔を絶やさない感じ…これは、そろそろこやまさんを偉人の一人としてカウントしても良いんじゃないのかという気すらして来るわけです。こんなにもハイペースな活動を続けてるのに、この人たちに抱くのは「飽き」や「マンネリ」みたいなネガネィブな感情ではなくて「次が楽しみ」というポジティブな気持ち。今後も、期待しております。
紅白でヤバTを観たかった気はするけど、何より大事なのは「どこで歌うか」じゃなくて「何を歌うか」「どう歌うか」ですよね。




お気に入りは、#01 『Tank-top Festival 2019』#03 『小ボケにマジレスするボーイ & ガール』#04 『君はクプアス』#05 『どすえ〜おこしやす京都〜』#06 『大人の事情』#09 『秋』#11 『ざつにどうぶつしょうかい』




この作品が好きなら、・『ギリ平成』/キュウソネコカミ・『XXL』/岡崎体育・『やんごとなき世界』/打首獄門同好会などもいかがでしょうか。




CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/









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