ムキシ(CD)>オリジナルフルアルバム>タイトル:ムキシ>アーティスト:レキシ>リリース日:2018年 9月 26日>記事作成日:2018年 11月 7日




聴きました!
レキシさんの最新作!前回に続いて「レ」のほうをイジッたんですね(笑) レキシさんに長く作品を作り続けていただくには、もっともっと似たような文字を生み出して行かなきゃいけなくなるんじゃなかろうか…新しい文字を用意するくらいの価値が、レキシさんにはありますからね!


レキシさんらしさ全開の、爽快で軽快なポップチューン『なごん』からスタート。ブラス隊が人懐っこく響き渡り、そこに池ちゃんさんの優しげな(「優しい」ではない 笑)歌声が乗っかって。「レキシさんってこういう作風」の、正に「こういう」の感じの曲。
ビッグ門左衛門氏を招いての『GOEMON』。三浦大知さんのダンサブルな歌声を存分に生かす、アクティブでスポーティなトラック。エレピが艶めかしく光り、シンセが華やかさを彩る。でもこれ、もちろん三浦さんに照準を当てたトラックメイクだとは思うんだけど、「三浦ソロ唱」ではなくちゃんと「ツインボーカル」になってるのが結構大事な気が…池ちゃんさんの歌声と三浦さんの歌声の混ざり合い具合が、全体の雰囲気づくりに強く作用している感じがしました。
シングルの別バージョン『GET A NOTE〜下駄の音ver.〜』。この曲、シングルで出た時から大好きでした。シリアスなテンション、妖しげな空気感、そして疾走感のあるボーカル。別々の要素がガッチリ噛み合って、聴きやすいのに聴き応えもある仕上がりに。こうしてアルバムで聴くと、なぜだか演奏陣の個々のプレイにもより意識が向いて、それぞれの「巧さ」に鳥肌が立ちました。プロフェッショナルの集まりの感じが、すごいする。
『出島で待ってる』。切なさが色濃く香るヴァースと、そこから霧が晴れていくようにメジャーに展開するサビと。その経過が、まるで短編小説を読んだみたいな感覚を与えてくれます。言葉数が突出して多いわけではないけど(というか別にそんな感じのストーリーでもないけど 笑)、なんか「情報量がたっぷりある」曲。
この人の歌声をこういう場で聴く日が来ようとは…カモン葵さんを迎えての『TAIROW〜キミが目指してんのは〜』。トラックは、だいぶ手嶌葵さんの作風に合わせている感じ。一方で、池ちゃんさんの要素もあるのでまず池ちゃんさんが初めに歌い出した時点でも違和感は無し。しかし、ボーカルが手嶌さんにシフトした時に雰囲気がガラッと変わり過ぎてびっくりする(笑) 「合ってない」とか「おかしい」とかそーゆー事ではなくて。手嶌さんがあまりにも手嶌さんだったので。
シングル曲『KATOKU』。ピコピコしたデジタルサウンドも、妙に跳ねた感じのベースも、滲んだ感じのギターも…凄く、時代を感じる。「80年代のポップス」みたいな。とかとか思ってたら、ミュージックビデオも正にそんな雰囲気で作られてたので、思わず笑ってしまいました。この曲は、MVで楽しむのがベストかと。
これもシングル、『SEGODON』。某大河ドラマの、主題歌ではなくイメージソング的なやつ。でも、時代劇的な雰囲気は皆無な、西海岸的なシャレオツポップチューンになってる(笑)そのギャップがまず好き。
なんでこのシチュエーションをこのトラックに乗せて曲にしようと思ったのか(笑)、『奈良に大きな仏像』。ブラスの入った華やかなトラックには、昭和の歌謡曲のようなこってりとした存在感があって。そこに乗っかるボーカルラインにも、それに負けない圧がある。どの要素を切り取ってもこってりとした曲、なのにそこで歌われているのは奈良に大仏を作るお話という(笑) そうそう、この感じですよ、レキシといえば。
ジャジーでアダルティな、『SAKOKU』。オシャレキシさんの表現力豊かなピアノが光る、とてもモダンで艶っぽいジャズ。特に後半ね…もう、キャバレー(キャバクラではなく!)的なギラギラの雰囲気が。そして、その後はもう完全にジャムセッション的な、上原ひろみさんと池ちゃんさんの一騎打ちが展開。この人たちにかかると、「鎖国」がこんな事になっちゃうの!?頭おかしいぜ!もちろん最上級の褒め言葉!!!
ラストはしっとりと、『マイ会津』。もはやほぼほぼユニットメンバーの、足軽先生とシャカッチさんを招いて。今回のアルバムには、過去作で言うと『アケチノキモチ』とか『墾田永年私財法』みたいなガッツリとしたバラード曲は無かったけど、この曲なんかはそれに近いポジションなのかな。切なさというよりは哀愁が溢れる、ミドルバラード。通常のラップ系楽曲ではまずお目にかかる事の出来ない、オンリーワンな言葉同士でのオンリーワンなライミング(笑)


そんな、計10曲。
元々、「高い音楽性と高いユーモア」が特徴のアーティストさんではありましたが…今回は、特に「音楽性」の面で益々の高みを見せてくれた感じがします。アレンジという意味でも、コンポーザーとしての表現力的な面でも。
もう1〜2曲、「ユーモア」に振り切れた曲が欲しかった気はしないでもないけど。そういう意味では、今回はやや大人しかった印象。




お気に入りは、#02 『GOEMON』#03 『GET A NOTE〜下駄の音ver.〜』#08 『奈良に大きな仏像』#10 『マイ会津』




この作品が好きなら、・『ラ』/SUPER BUTTER DOG・『にゅ〜うぇいぶ』/キュウソネコカミ・『FANKASTiC』/スガシカオなどもいかがでしょうか。




ぼくの、もう1つのブログもご贔屓に!▶︎音楽雑記帳