赤飯(通常盤)>ベストアルバム>タイトル:赤飯>アーティスト:赤い公園>リリース日:2018年 2月 14日>記事作成日:2018年 4月 8日




聴きました!
赤い公園、初のベストアルバムという事で。まぁ、ボーカル佐藤さんの脱退という大きな節目なのでね。区切りをつけるためのベスト盤なのでしょう。


ぼくが一番好きな曲、『NOW ON AIR』からスタート!ぼくが赤い公園というバンドを決定的に好きになったのは、この曲からと言っていいだろうなぁ。それ以前、『絶対的な関係』とか『今更』とかその辺りから何となく気にはなっていたけど、ギュッと気持ちを掴まれたのはこの曲。
歌詞がいいですよねぇ、『KOIKI』。色んな事を言っているんだけれども、サビでは「結局のところあなたが大事」っていうところに集約されていく…そんな、可愛らしい歌詞にキュンときます。この曲をこんなに「いいな」と思えたの、本作が初めてかも。曲順なのかな?
で、赤い公園を気になり出した頃に聴いていたのが『今更』。「同僚が、赤い公園と対バン仲間」っていう縁でチェックを入れてみて。当時はまだキラキラしたイメージの「ガールズバンド」っていう感じじゃなく、ちょっとエキセントリックな香りのする異色バンドって感じだったなぁ。
で、「ガールズバンド」感が増してきた頃の楽曲『サイダー』。キャッチーなメロディと、可愛らしい歌詞と、ガーリーなボーカルと…でもちょっとだけ斜に構えた感じもあるアレンジと。
そして、「ガールズバンド感」がある種の完成形を迎えている『恋と嘘』。キラキラで、スウィートで、そしてほんのり酸っぱくて。まさか『今更』MVで変な踊り踊ってた人たちがこんな曲を世に放つとは(笑)佐藤さんの歌声、どんな曲にも自然に溶け込めるのが凄いよなぁと思います。
6曲目に『ナンバーシックス』。全体的にどこかトボけたようなユーモアを感じさせるアレンジ&プレイ。その中で、レトロなオシャレ感を放つギターの音色が存在感を放っています。バランスという意味では、佐藤さんとギターとがツインボーカルって感じ。
「ポップでキャッチー」パートを一旦締めくくる曲、『黄色い花』。アクティブなストリングスが絡んでいて、4人だけのアンサンブルとはまた雰囲気を異にしたアレンジ。ステップを踏みながらハンドクラップしたくなるようなアレンジは、赤い公園の作風の中ではやや異彩を放つ。
ラウドでノイジーな『風が知ってる』。ヴァースの辺りなんかはかなりクセが強くて、なんだかドロリとした感触があるのに、サビに行くと不思議と浄化されて行くような感覚がある。「どうやったら思いつくんだ⁉︎」という驚き方をする(笑)、とても個性的な楽曲。
そしてこれもまたクセの強い、『塊』。佐藤さんの声が、近年のそれとはまるで違くて。とにかく鬼気迫る感じで、かつ不穏な感じ。アレンジも、もはや完全にプログレ。隠す事もなく晒される、狂気。
『闇夜に提灯』。だいぶ「キャッチー」「キュート」に寄っていたあの時期に、この曲を繰り出してきた事。キャッチーさは残しつつも「クセ」と「攻め感」もまた復活してきて、なんかよく分かんないけどニヤリとした記憶があります。
これもまただいぶクレイジーな曲、『のぞき穴』。ほんとに津野さん、どうやったらこんな曲が出てくるんですか⁉︎だいぶクレイジーじゃないとこういう曲は出てこないし、こんなアレンジをあてようと思わないし、そもそも世に出そうとは思わないよ…その辺が好きなんだけど。
なんだか怖い『ひつじ屋さん』。なんか、『ひつじ屋さん』っていうワードに、得も言われぬおどろおどろしさを感じるんです。佐藤さんのボーカルなんかは結構カワイイ系のアプローチなのに、それを打ち消して余りある…というか、もはや佐藤さんのその可愛らしい歌い方にすら狂気を感じてしまう程に(笑)
カッコいい曲、『西東京』。とにかくロックンロールで、攻撃的で、疾走感があって。でも、比較的のんびりしたというか、どちらかと言うと地方都市的なイメージのある西東京がこんな曲になるとは(笑)
続いても疾走感と攻撃性が心地良いロックンロール、『絶対的な関係』。テレビか何かでリリース前にこの曲を聴いて、一発でトリコになった記憶があります。ここまで骨太なサウンドを、全員女性のグループが鳴らしているという事に驚きもあった。そして、ソリッドなサウンドに対してユーモアと可愛らしさ(?)が前面に出たMVとのギャップも良かった。あのMVは、かなり秀逸。
フレーズが頭から離れなくなる系の『カメレオン』。なんか、クセになる曲。ロッキン2017で、生で観たインパクトも手伝ってなのかもしれないけれども。こんなにクセが強くてドカドカなっている演奏陣の上で、伸びやかでしなやかで奔放に歌う佐藤さんの歌声が際立っています。
珍しく、シングル曲らしいシングル曲(?)だった『Canvas』。キャッチーなメロディに、感傷的なギターに、オーソドックスなアレンジのリズム隊に。「クセ」が鳴りを潜め、その分多くの人にスッと入っていくであろう曲。
空気感は『Canvas』と通じるものがあるけど、それがマニアックなほうに転がった『ランドリー』。こういう並びで聴くと、「そっか、初期からそこそこ耳馴染みの良い曲ってあったのかー」なんて気付かされます…いや、これを「耳馴染みが良い」とするのかどうかは判断がつかないけれど(笑)
初期曲が続きます、『透明』。珍しく、コーラスワークに凝ってます。そのハーモニーも、トラックのアレンジも、単体で抜き出せばとても美しくて繊細なんだけど、曲として全部が合わさったものを聴くとやはりクセが強くて安心出来ない(良い意味で!)感じになるという不思議。
独特の浮遊感が漂う『デイドリーム』。スロウなメロディと重厚なサウンドが相まって、とてもバランスの良いロックバラードに仕上がってます。やはりこのバンドは、津野さんのギターがキーなんだなぁと再確認出来る曲。
初期は随分シンプルなアレンジだったんだなぁ…って感じの『交信』。いや、「シンプル」といっても「単純」とか「簡単」とかそういう意味ではなくて…なんていうのかなぁ、「ストレート」? ボーカルラインなんかはクセに満ち満ちていて異彩を放っているんだけど、ことアレンジとなると、テクニックをこねくり回す系とは正反対の潔さを感じるのです。
中央線沿いの「市」から23区に出てきた感じ(笑)の、『東京』。『西東京』とはある意味で対をなしている、オシャレでシュッとしててどことなくセンチメンタルな曲。
で、ラストは『journey』。青春ですねぇ。センチメンタルですねぇ。エモいですねぇ。なんか、初期はクセとアクの強い作風で、それはそれで斜に構えた感じの青春感があったけれど、こちらは、自分たちの素をそのままアウトプットするというカタチでの青春感を感じました。青春の表現の仕方に幅が出来ているというか。きっとそれは「青春」に限らず、あらゆる事象に対して表現のバリエーションが増えていて、つまりはバンドの武器が増えているという事だと思いました。


そんな、計22曲。
2枚組とかじゃなくて、銀盤1枚で22曲!…特典ディスクとかは別でありましたが。その、「1枚で22曲」という構成が、ある意味でそのまま赤い公園というバンドの特徴を表しているなぁと思います。つまり、瞬発力と爆発力。そこが、このバンドの最大の持ち味だとぼくは思っています。それが、曲数というカタチでもベストアルバムで表現されていて、なんか「色んな意味で、赤い公園らしいベストアルバムだな」なーんて思いました。どこからどう切り取っても、「赤い公園汁100%」の作品だったと思います!
3人体制の赤い公園、色々とアグレッシブに動き出しているようですね。ぼくはまだ音源を一切聴いた事がないけれど…期待してます!早く音源出して!!(笑)なんとなく、本作が、4人体制の赤い公園への決別の作品なのかなぁという感じがしました。その決意には、7割の頼もしさと3割の切なさを覚えた。




お気に入りは、#01 『NOW ON AIR』#02 『KOIKI』#05 『恋と嘘』#13 『西東京』#14 『絶対的な関係』#15 『カメレオン』#22 『journey』




この作品が好きなら、・『ベスト オブ ゴー!ゴー!』/GO!GO!7188・『Much Much More!!』/speena・『私と放電』/椎名林檎などもいかがでしょうか。




CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/









ぼくの、もう1つのブログもご贔屓に!▶︎音楽雑記帳