告白>オリジナルフルアルバム>タイトル:告白>アーティスト:チャットモンチー>リリース日:2009年 3月 4日>記事作成日:2017年 11月 30日




久しぶりに聴きました!
先日解散を発表したチャットモンチー。残念な気持ちと、なんか納得する部分と。その両方を感じながら、過去作をもう一度聴き直しています。

本作は、メジャー4作目(フルアルバムとしては3作目)の作品。商業的には最も勢いのある時期と言えるのではないでしょうか(内容的には、どの時期の作品もそれぞれに充実していると思います)。


『8cmのピンヒール』からスタート。キャッチー…というよりももはや「人懐っこい」とすら言えそうな耳なじみの良さ。程よくガーリーな部分を出しつつ、サウンド的には相変わらずの迫力を見せてくる。
シングル『ヒラヒラヒラク秘密ノ扉(Album Mix)』。この曲で、1つの完成形を作り上げたような印象を受けます。アッパーに振り切れたサウンドと、とにかく彫りの深いメロディと、ユーモアとシリアスがうまい具合に絡み合うリリックと。「チャットモンチーってどんなバンド?」と問われたら、これを聴くように言いたいかも。
バンドのアンサンブルが心地良い『海から出た魚』。例えばライブでメンバー紹介する時に、各パートが数小節ずつソロを張るような。そんな感じで、各パートに魅せ場があるようなアレンジでした(もちろん、メンバー紹介ほど露骨ではないけど)。
大好きなロックバラード、『染まるよ』。だいぶキャッチーな曲が増えてきたこの時期にあって、こういう渋くて骨太な作品が作れた(そしてシングルで切れた)というのは素晴らしい事だと思いました。こんなに絞った手数でこんなに「聴かせる」なんて、すげぇなぁほんと。
橋本さんの弾き語りから始まる『CAT WALK』。飄々としているような、情緒的なような。淡々としているような、情熱的なような。いや…「どちらか一方」ではなくて「その両方が詰まってる」曲なんだろうな。これもまたいぶし銀なロックンロール。
ポップでカラフルに、『余談』。デビュー以後にチャットが手に入れた最大の武器というのが、この、華やかで陽性の匂いがするアプローチだと思います。最初期の曲は、ちょっとシューゲイズっぽい感じのするどちらかというと「重たい」作風が多かったですからね。まぁ、初期の作風を見失っていないからこそ、こういうカラフルポップが映えるんだと思いますが。
フォーキーなサウンドのユーモラスな曲『ハイビスカスは冬に咲く』。取って付けた感じではなく、主体的・能動的にこういうサウンドが鳴らせるバンドになったんだなぁ、と…って、どんだけぼくは初期チャットを「垢抜けない人たち」だと思ってたのか(笑)
ベースの音が腹に来る、『あいまいな感情』。これもまた、表情が読めない曲だよなぁ。何か大事なメッセージを受け取れるような感じもするし、単なる言葉遊びのような感じもしないでもない。そういう意味で、このリリックは「言葉」というより「絵画」に近い。何を受け取るのかは自分次第。
メンバー全員でボーカルを取る曲、『長い目で見て』。中々斬新ですよね。でも、なんか得した気分になる(笑)今年のロッキンで、福岡さんがラップを披露したり(スチャさんのカバーで)ツインボーカルの片割れとして歌っていたりしてるのを見たけど…中々いい歌声ですよね。可愛くて柔らかい橋本さんの歌声に対して、キリリとした男前な歌声。
ほんわかとした、それこそ正に寒い朝のスープのような『LOVE is SOUP』。肩の力の抜けた感じの、ゆーったりとしてあったかい雰囲気。恋の、素晴らしいところだけすくって集めたような曲ですね(笑)
冒頭の、驚くほどガツガツとしてゴツゴツとしたドラムが超好きです、『風吹けば恋』。「ガールズバンド」としてのクリエイションの完成形とでも言えましょうか。しっかりとしたバンドサウンドがありつつ、恋をテーマに可愛らしく歌い上げる。これは、ガールズバンドにしか出来ないアプローチですよねぇ。
ロックンロール色の強い『Last Love Letter(Album Ver.)』。ヴァースの部分の緊張感と、サビの開放感。その対比が鮮明なメロディラインが素敵。改めて、コンポーザーとしての橋本さんの実力を思い知る。力強いドラムスと、メロディアスなベースと。その辺のアンサンブルも絶妙。
ラストは『やさしさ』。とにかくトラックが面白い。オリエンタルな匂いがするけど具体的に「この地域のこういう音楽」というのは一切ない、不思議が雰囲気。こういう曲を聴くと、バンドとしての成長だったり成熟というのを目の当たりにしますよね。


そんな、計13曲。
バンドとしての、1つの到達点に行き着いた感じでしょうか。1st.(ミニ)の甘酸っぱい青春感も、2nd.(フル)のゴツゴツしたエネルギーも、3rd.の「売れにいった」キャッチーな感じも…全ての要素が満遍なく取り入れられたアルバム。
最近、チャットと似た路線のガールズバンドがだいぶ増えたけど…みんな、最初からこのアルバムのこういう感じを狙い過ぎてるような。『chatmonchy has come』や『耳鳴り』みたいな作品があってのコレと、最初からポンと出たそれとでは、ぼくはやっぱり違うんじゃないかと感じます。




お気に入りは、#02 『ヒラヒラヒラク秘密ノ扉』#04 『染まるよ』#05 『CAT WALK』#09 『長い目で見て』#11 『風吹けば恋』




この作品が好きなら、・『the Radio』/リーガルリリー・『girls like girls』/yonige・『COSMONAUT』/BUMP OF CHICKENなどもいかがでしょうか。




CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/









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