＞オリジナルフルアルバム＞タイトル：girls like girls＞アーティスト：yonige＞リリース日：2017年 9月 20日＞記事作成日：2017年 10月 30日
聴きました！
今大注目のガールズバンド（編成的には「ユニット」になるのかな）の、メジャー1st.フルアルバム！
インディー時代の『Coming Spring』『Neyagawa City Pop』を聴いて、荒削りながらもなかなか光るものを感じて。ロッキン2017でライブも観て。そうこうしている間にリリースされたのが本作。
結構、期待値を上げて。
『ワンルーム』からスタート。
疾走感のあるアッパーチューン。でもどこかしら儚げというか、スレた感じを覚えます。その感じがまさに、yonigeのyonigeたる部分な気がして。「うん、これこれ！」って感じ。
もっと湿度を下げて、もっとスピードを上げて、アグレッシブな曲『さよならプリズナー』。
ザクザクとしたギターの、そのささくれ立った感じがなんとも言えず愛おしい。ハイティーンの不器用な青春、その感じが何とも甘酸っぱい。
バンドの安定したグルーヴに心地よさを覚える『各駅停車』。
アレンジの方向性にしても各楽器の音のチョイスにしても、他の曲と特別に異なる訳でもないんだけど…この曲のキャッチーさは本作中でも群を抜いているように感じました。
4つ打ちのビートを、効果的に使ってますね。
しかし…インディー自体はサウンドやボーカルスタイル的にも「地方都市のヤンキー感」がぷんぷんしてたのに（笑）、本作はちょっとカワイイ系に路線変更した？ちょっと甘えた雰囲気のあるボーカルが、この曲は特に際立つ。あ、そーゆーの嫌いじゃないっす！
初めて聴いた見た時には一瞬RADWIMPSのカバーかと思った、『バイ・マイ・サイ』。
いや、もちろん、タイトルの字面だけの話ですよ（笑）
インディー作品からの再録ですね。
ビートをがっちり鷲掴みにして離さないメロディラインがすごく好き。ともすると野暮ったさが出てしまいそうなメロディなんだけど、まるでヒップホップMCがビートを乗りこなしてライムを炸裂させるような、そんな気持ち良さがあるんですよねぇ（別にこの曲がラップ的だという事ではなくて）。
ベースがクッソ気持ちいいな、『スラッカー』。
猥雑で野卑ですらある、ノイジーなサウンド。お世辞にもIQ高そうには聴こえない…これ全て、最高の褒め言葉ね！yonigeには、シュッとしたスタイリッシュさよりもこういう快楽的で享楽的なサウンドを忘れずにいてほしい。
これもまた程良い壊れ具合の『おうまさん』。
タイトルからしてもう、人を食ったよう（笑）この飄々としたおとぼけ感、嫌いじゃないんだよなぁ。
歌と喋りの中間くらいの、適度なラフさ。アレンジもシンプルなのに、いやシンプルだからこそかっこいい。
一転してしっとりと、『沙希』。
誰？？？とは思うけど…とにかくすごくメロウなラブソング。凄く抽象的で、比喩的で、淡い淡い歌詞。これが別れの歌なのか幸せの最中の歌なのかすらはっきりしないけど、強い強い想いがそこにある事だけははっきりと分かります。
ロッカバラード『とけた、夏』。
ヴァースは、ひたすらに語る。そこに「音程」はないけれども「リズム」はふんだんにあって…切なく儚い歌詞だけど聴いていると気持ち良さを覚えるという不思議な曲。
「おじさんみたいな匂いの古本屋」って、どんだけ文学的な表現だよ！そのセンス、驚きを禁じ得ない。
ボーカル牛丸さんの、ソングライターとして、コンポーザーとして、その両方のセンスを堪能出来る曲です。
淡々と刻むビートが逆に異彩を放つ、『また明日』。
終始淡々とした雰囲気なんだけれども、なーんかやたらと印象に残るんですよねぇ。物凄く日常の生活臭がする部分に、もはやファンタジーとすら呼べそうなくらいに浮世離れした空気が瞬間瞬間で紛れ込んでいて。
なんとも不思議な雰囲気の曲。
ラストは『トーキョーサンセットクルーズ』。
『Neyagawa City Pop』なるタイトルの作品に象徴されるように、地元大阪の雰囲気を端々で感じさせる部分のあったyonigeですが、今回のアルバムでは東京を感じさせる部分が多々ありますよねぇ。この曲はその最たるもの。
そうやって聴くからかもしれないけど、どこか洒脱な空気が感じられた気がします。いや、リリック的にはだいぶ「垢抜けない」んだけれども（笑）
そんな、計10曲。
凄くキャッチーなんだけど、なんともヒネクレた感じのする作品群。アレンジにしろ、リリックにしろ、もうちょい素直にやれば今すぐにでも大ブレイクしそうなもんなのに（笑）
…いや、そうしない、斜に構えた感じのサウンドがぼくは大好きなので今のままでいてくれて全然構わないんですけどね！
お気に入りは、
#03 『各駅停車』
#04 『バイ・マイ・サイ』
#05 『スラッカー』
#08 『とけた、夏』
この作品が好きなら、
・『猫とアレルギー』／きのこ帝国
・『シアノタイプ』／ハルカトミユキ
・『the Radio』／リーガルリリー
などもいかがでしょうか。
iPod nanoにも入れておきたいレベル(^.^)
ぼくの、もう１つのブログもご贔屓に！
▶︎音楽雑記帳