ROLL ON 48>オリジナルフルアルバム>タイトル:ROLL ON 48>アーティスト:フラワーカンパニーズ>リリース日:2017年 9月 6日>記事作成日:2017年 11月 17日




聴きました!


フラカンの最新作。

ご自身たちでインディーレーベルを立ち上げて、そこからリリースされる最初のアルバムだそうです。近年、メジャーで活躍してきたバンドが敢えてインディーズに戻るパターンが増えてきましたね。自分たちのやりたい事を自由にやるには、やはりメジャーレーベルというのは窮屈なものなんでしょうか。

なにはともあれ、インディーからのリリースという事は、きっと本当にやりたい事が詰まっている作品という事なのでしょうね。心して聴かねば。




タイトに刻むビートがカッコいい『ピースフル』からスタート。

強烈にシニカル。当然、字面通りのピースフルなんかは全然なくて(笑)、むしろこの歌詞にこのタイトルを付ける事が最大の皮肉、そして風刺。

この、何とも言えないネガティブな思想と、それなのにそれを半ば無理矢理ポジティブにひっくり返そうとしているエネルギーが大好きです!


ほぼ表題曲、『人生Roll On』。

改めて「Roll on」の意味を調べてみると、「転がっていく」「(波が)押し寄せる」「(時が)経つ」という3つが出てきました。これ、フラカンにぴったりなワードですよね。3つが3つ共ぴったりだからますますフラカンにぴったり。

その「フラカンにぴったり」な理由を説明しようとしたら、「この曲の歌詞を読めばいい」という結論に達したワケです。


フラカンの自伝的作品と言っていいんじゃないだろうか、『ハイエース』。

今でもご自身たちで機材車を運転しながら全国を回ってるらしいですからねぇ。そこまで音楽にかける想いは凄いなぁ…と思っていたけど、この曲を聴いていたら「あぁ、意地と執念なんだな」と。だからガッカリという事ではなく、むしろ納得。その辺、飾らない言葉で歌うところもまたフラカンの魅力。


特に骨太で男臭い感じの曲、『てのひら』。

分厚い音なんだけれどもどこかしら儚げで哀愁漂う雰囲気がある…そういう、ナイーブな面を併せ持っているというところも含めて、男性的な歌。実際、大概は男性のほうが女々しいですからね(笑)


一転して軽快に、ヤンチャに、『NO YOUNG』。

タイトルは『NO YOUNG』だけど、テンション的にはSO YOUNGな曲。でも、モチーフがサッカーとかフィギュアスケートとかじゃなくて野球なところに、確かに『NO YOUNG』的な匂いを感じなくもないか(笑)


いぶし銀だぜ、『花のようでした』。

昭和歌謡的なマイナーチューン。渋くて哀愁漂う感じがある一方で、どことなく滑稽というか可笑しみのようなものもあって。何とも言えないこの味わいは、強いていうなら「エレジー」か。


『HAPPY!』。

過度なデコレーションをしない、シンプルな質感のロックンロール。でも、さりげなく転調があったりなんかして、意外と凝った作りなのかなぁと思ったりもします。

このくらいのベテランだからこそ醸し出せる、この落ち着き。落ち着きがあるからこそ、光るメッセージ性。


ブルースハープと乾いたエレキの音色が何とも心地良い『あまくない』。

これもまたとんでもなく哀愁に満ちていて…何よりも「あぁ、こういう曲が沁みてくる歳になったんだなぁ」という事に驚く(笑)いや、フラカンさんよりは全然若造なので、フラカン世代の方には「分かったような事を言うな」って思われるのかもしれないけれども。

でも一方で、年齢には関係なく、20歳には20歳の、50歳には50歳の「あまくない」があるんだろうなぁとも思います。


アコースティックな『キャンバス』。

アコギの音色が新鮮に響いてきます。どこか突っ張った、もしくはスレた感じが強いフラカンですが、この曲は肩肘張らず肩の力が抜けた自然な空気を感じるのです。

こういうフラカンも、また良い。


タイトルからして「らしい」、『最後にゃなんとかなるだろう』。

物事をあらゆる角度から(大抵はナナメから 笑)凝視して凝視して凝視するフラカン楽曲が、それでも最後に行き着く結論はコレな気がする。決して楽観視しているのではなく、むしろ「そう思ってなきゃやってらんない!」って感じのニュアンスがいい(笑)


ラストは『あなたはだぁれ?』。

タイトルから感じるソフトで人懐っこい感じなんか微塵もなくて(笑)、むしろ己れが何者なのかをグイグイ問い詰められる感じ(笑)しかも、「裏っ側まで見透かしてるぞ」っていう感じで。




そんな、計11曲。


結果から言うと、メジャーだろうがインディーだろうがフラカンはフラカンだった。まぁ、そりゃそうですよね。ここまでスタイルが確立されてるバンドなんだから、流通方法が変わったところで音まで変わるわけがなかったです。


本作も、大人の青春で満ち満ちていました。ヤンチャであり、シリアスであり、全力であり、適度な余裕も見せつけられた。






お気に入りは、

#01 『ピースフル』

#06 『花のようでした』

#07 『HAPPY!』

#08 『あまくない』






この作品が好きなら、

・『I ❤︎ ME』/斉藤和義

・『空を見上げても空しかねえよ』/忘れらんねえよ

・『I ❤︎ FC MORE THAN EVER〜FLOWER COMPANYZ TRIBUTE〜』/V.A.

などもいかがでしょうか。






iPod classicには入れておきたいレベルf^_^;)











ぼくの、もう1つのブログもご贔屓に!

▶︎音楽雑記帳