>セルフカバーアルバム
>タイトル:re:Action
>アーティスト:スキマスイッチ
>リリース日:2017年 2月 15日
>記事作成日:2017年 4月 12日





聴きました!

スキマスイッチが、名だたるアーティストをプロデューサーに迎え入れて過去の名曲をリメイクしてまとめた一枚。
なので、純粋なセルフカバー作品ともまた違って、どちらかというとコラボアルバムなのかな。



まずは、『全力少年(produced by 奥田民生)』から。
いやぁ、OTテイスト!!BPMはやや落とし、その分骨太なロックンロールに生まれ変わっている。なのに、イントロやアウトロのギターは乾いていて軽く、その軽重の付け方がまさにOTサウンドだと感じました!

ぼく的には意外な人選に感じる、『僕と傘と日曜日(produced by 田島貴男)』。
ハードボイルドでダンディな色香の香る田島さんと、甘くて優しくて少年性の感じられるスキマスイッチ。どんなコラボになるのか…と思ったら、「ちょうど中間」の感じがしました!スキマの耳馴染みの良さは残しつつ、田島さんの圧倒的なオトナ感も滲み出ていて。今にして思えば、オリジナルのほうはちょっと、「背伸びして大人びた感じを出してみた」という感じに聴こえなくもない。その点こちらは、自然なシティポップとして聴く事が出来る。
ぼく、こっちのほうがしっくり来るかも。

同郷だそうです、『フィクション(produced by フラワーカンパニーズ)』。
これはもう、フラカン感全開!ヤンチャで奔放でアグレッシブ。そんな中で何故だか漂う哀愁。ブルースハープのせいでしょうか。
大橋さんの歌声は大好きなんだけど、この曲をこのアレンジで聴くなら鈴木さんのボーカルで聴いてみたかった気もするかも。

ぼく得なコラボ、『ユリーカ(produced by GRAPEVINE)』。
好きなアーティストと好きなアーティストが、好きな曲でコラボしてくれた!
この曲は両者の個性がフィフティな感じで混ざり合ってる気がしました。スキマよりは繊細なロックで、GRAPEVINEよりはポップでキャッチー。
まぁ…期待以上のもう一捻りを期待してしまったのは、ファンの欲目か。

ベテランバンドによる『マリンスノウ(produced by TRICERATOPS)』。
「らしくない選曲」と言えるような、「らしい選曲」とも言えるような。もっと軽快で爽快なアッパーチューンを選ぶのが本来の「らしい」だとは思うんだけど、トライセラさんの中に時々見え隠れするメロウでナイーブでセンチメンタルな側面を思えばこのチョイスはこれ以上なく「らしい」。

『Ah Yeah!!(produced by 澤野弘之)』。
この澤野さんという方、ぼくは正直「名前くらいは見かけた事が、あるような無いような…」って感じだったのですが。サウンドトラック方面だったり楽曲提供だったり、そちらが主軸の方なんですね。
オリジナルのアッパーで爽快な勢いを敢えて封じた感じの、重厚で骨太な仕上がりに。バンドのアンサンブルだけでなく電子音(シンセ?プログラミング??)なんかもして、スキマのオリジナルとは明らかなる一線を画している曲。カッコいい。

本作中で最もトリッキーな性質の作品かもしれない、『奏(re:produced by スキマスイッチ)』。
その名の通り、外部プロデューサーではなくご本人たちによるリメイク作品。
オリジナルよりも色んな音がする。ベースは太いんだけど、じゃあバンドサウンドに寄ったのかと言われるとそうでもなく。エレピとかシンセとかも芳醇に響いていて。
オリジナルよりも少し、感傷は減ったかな。

海外勢も!『晴ときどき曇(produced by BENNY SINGS)』。
お名前を存じ上げないなぁと思っていたら、海外アーティストさんでした。しかも、みた感じかなりベテラン。
ベテランの味なんでしょうか…'80sとかの、チープな鳴りのデジタルサウンドが特徴的。
でもごめんなさい…正直、「デパートとかで薄ーく流れてるインストのBGMみたいだなー」としか思えなかった。。。

大御所も参戦の『君のとなり(produced by 小田和正)』。
小田節全開。シンセが存在感のあるカウンターラインを取っていて、そこにさりげなく絡むギター。更には、輪唱形式のコーラス。そしてCメロ以降は繊細ながらも厚い多重コーラスに。「にしても、聴いた事ない曲だなー」と思ってたら、これは初音源化の作品なんですね。小田さんのテレビ番組で生まれたという…それじゃあ、小田節全開なのは当然ですね。

これまたベテラン、『ふれて未来を(produced by 真心ブラザーズ)』。
さすが地球三兄弟(笑)、OTのプロデュースとも通じるような、どっしりと構えた余裕を感じさせるオトナの仕上がりに。
コーラスの充て方も、どことなく通じるものを感じる。
まぁ、真心プロデュースなら、もっとヤンチャでパワフルなほうのギアを見せてくれても良かったけれど。

そして、これもまた非常にぼく得なコラボの『ゴールデンタイムラバー(produced by RHYMESTER)』。
アナログな質感の(おそらくサンプリングの)ブラスラインが、「まさにライムス!」って感じ。
しかし…2番のヴァースをまさかのラップ化とか、斬新過ぎるでしょ!この大人の遊び心、鳥肌立つほどグッときたぞ!
もちろん、オリジナルのラップパートも良かった。歌詞の中で、フツーに個人的なエールを送ってる(笑)

『冬の口笛(produced by SPECIAL OTHERS)』。
スペアザの、「奔放side」ではなく「手練れside」のほうが炸裂してますね。この方々、演奏技術半端ないですもんね。早弾きだとかそーゆー上っ面の話ではなくて、もっと根本的な、安定感とかそういう意味で。
とにかく、いい選曲だと思います。派手ではないけどキャラが立っている曲を、過不足なくちょうどいいさじ加減でリメイクしている。

ラストは異種、『回奏パズル(produced by KAN)』。
スキマのあらゆる曲のピースをつなぎ合わせて、一曲にまとめた曲。この構成はKANさんらしい遊び心というか…これ、最初はフツーに「一曲」でオファーしたんじゃないかなぁ。で、KANさんのスイッチが入っちゃったんじゃないのか…勝手に、そんな事を想像したりしています。
世の中には「メガミックス」なるフォーマットがありますが…言うなれば、この曲こそが真の意味で「メガ」な「ミックス」なんじゃなかろうか(笑)
笑ったし、泣けた。試み自体はくだらなくてニヤッとしてしまうんだけど、曲は心の琴線に触れてくるミドルバラード。フツーに良い曲過ぎて、KANさんの術中にハマった気がしてもう一回笑っちゃうんです。



で、初回版には上記音源(既発曲に限る)のオリジナル版が収録されたDISCが付いていました!



そんな、2枚組計22曲。

不思議と、あんまり「原曲と比べてどうとかこうとか」というのを気にせずに聴く事の出来る作品でした。各プロデューサーが、ご自身(たち)の表現したい方向性を明確に打ち出していたからなのかしら。

正直、ある時期のスキマスイッチには「だいぶマンネリしてきたよなー」と思う事がありました。でも、作品で言うと『musium』の頃からかなぁ…なんか、新しいギアが入った印象で、その辺りから、何というか…ドキドキするような活動を見せてくれる事になってますよね。本作も、まさにそんな流れの中で出てきた作品なんだと思います。

色んな人に料理されても、スキマスイッチはスキマスイッチだという事も再確認出来たし。
色々良かった!





お気に入りは、
#01 『全力少年(produced by 奥田民生)』
#02 『僕と傘と日曜日(produced by 田島貴男)』
#04 『ユリーカ(produced by GRAPEVINE)』
#11 『ゴールデンタイムラバー(produced by RHYMESTER)』





この作品が好きなら、
・『逆輸入〜港湾局〜』/椎名林檎
・『ウワサの伴奏-And The Band Played On-』/RHYMESTER
・『ソルファ(2016)』/ASIAN KUNG-FU GENERATION
などもいかがでしょうか。





iPod nanoにも入れておきたいレベル(^.^)










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