>オリジナルフルアルバム

>タイトル:パトスとエートス
>アーティスト:Brian the Sun
>リリース日:2017年 1月 11日
>記事作成日:2017年 2月 8日





聴きました!

初めましてのアーティストさん。
ほんと、ロクに音も聴いてなくて。『パトスとエートス』というタイトルに何となく引っかかったのと、ジャケットのこのインパクト(笑)にヤられ、手に取りました。

というわけで、何の前情報や先入観etcも無しに本作を聴いた感想をば。



『Impromptu』
マーチ風のドラムスから始まる、ゆったりとした曲調。大らかさはありつつ、だけどどこかヒネクレた感じもするのが特徴か。
想像したよりも歌モノ感が強い。もっと、バンドの圧とBPMとで押してくる感じなのかと想像してたんだけど。

『Physalia』
…なーんて思ってたら、バンドの圧とBPMとで押してくる感じのこの曲へ(笑)。
そうは言っても、別に“ありきたり”とか“何かの二番煎じ”とかそういった風でもなくて、ちゃんとバンドのカラーが出た曲になっていると思います。
エッジの効いたギターと、テクニカルなドラムスと、躍動感のあるベース。演奏陣のスキルが安定している事が、この曲から分かります。

『パトスとエートス』
タイトル曲。
軽薄というか、チャラい感じの雰囲気があるノリの良い曲。すでに『Impromptu』のような曲を聴いているんでね、このチャラさや軽薄さが「アーティストのパーソナリティ」ではなく「表現方法のひとつ」である事はちゃんと分かります。
リズム隊が随分とダンサブルで躍動感があるなーと思ったのですが、サッカー番組のタイアップが付いてたんですね。なんか、納得。

『HEROES』
キャッチーで爽やかな印象のアッパーチューン。
ほのかに感傷を帯びていたりメッセージ性に富んでいたり…その辺りからしても、青春ソングなんだと思います。ティーンにウケる曲なんじゃないかなー。
しかし、この曲に限らずだけど、コンポーザーのセンスが良いですね。決してコッテリしてるわけでもないんだけど、印象に残るメロディ。

『Cold Ash』
お次もアッパーな曲。
これもまた青春ソングですね。アレンジにしろ言葉選びにしろ、前曲よりも更に分かり易いものがチョイスされている印象。学生諸君は、休み時間にこの曲を聴いてキュンとしたり放課後の軽音部室でこの曲をカバーして気持ちよくなったりするがいい(笑)。

『Maybe』
落ち着いた曲調で。急に、グッと対象年齢を上げてきた感じ。基本的にはラブソングなんだけど…それなりの失敗とか、それなりの挫折とか、そういったものをそれなりに味わった事のある人にこそ良さが伝わるような、感傷的な曲。
アコースティックな色合いの強い、優しくて角の取れた感じのアレンジ&プレイがとても良い。

『アイロニックスター』
ピアノの音色が良いアクセント。
妖しげな魅力に満ちた、どことなく艶やかな曲。
手数の多いベースもインパクト大ですね。まるでツインボーカルの片割れのように、とにかく高らかに“歌って”います…というか“吠えて”ますね。
でも、全体的な印象としては艶かしくてじっとりした世界観の、アダルトな仕上がり。

『Mitsuhide』
タイトル凄いな…『Mitsuhide』とな。
抽象的な表現で書き綴られた歌詞は、読み込めばきっと様々な解釈が出来るんだと思います。さらりと聴いた範囲では…ちょっと何とも言えない(笑)
アグレッシブな演奏陣とキャッチーなボーカルラインには、とても好感。

『Hi-Lite』
アッパーチューン。
ピュアなような、ゲスいような、何とも言えない表現の歌詞(笑)。まぁ、ピュアなんでしょうな。そーゆーコトにしておきましょう。
タイトに刻むドラムスと、普遍的なんだけど特徴的でもある音色のギターが素敵。この勢いとバネは、思春期の少年のそれと重なる。

『Cloudy #2』
映像的でドラマチックなこの曲。
ちょっとスレた感じの青春映画のエンドロールとかで流れてそうな雰囲気の、緊張感を伴ったアッパーチューン。
ちょっぴり青臭いけれど、こーゆーの嫌いじゃない。

『月の子供』
ピアノを基調とした、しっとりとしたバラード。ここまで、結構バンドのアンサンブルを大事にしてきていた感じがするのですが、この曲はボーカルの表現力に振り切れている感じですね。「バンドの曲」としては賛否両論あるかもしれませんが、ここまで潔くアレンジする判断力のあるバンドをぼくは嫌いじゃないです。というか好きです。
後半、さりげなくながらも確かな存在感を持ってバンドが加わってくる構成も好きです。徐々に厚みを増してくるトラックは、心に温もりを与えてくれるようでもあり感傷を増幅させるようでもある。



そんな、計11曲。

ロクに音も聴かず、言わば気まぐれに手に取ったにしては、その収穫が非常に大きい素敵なアルバムだったと感じました。
統一感というか、楽曲の系統は統一されていながらも、だけど結構バリエーションに富んだアレンジ。そして、キャッチーなボーカルライン。飽きの来ない仕上がりだったと思います。
ただまぁ…一方で、この手の作風のバンドは競合相手がごまんと居ますからね。その中で息の長いバンドになっていけるかどうかは、あと1〜2作聴いてみてからじゃないと何とも言えない気もしますが…。

とにかく、今後とも要チェックなバンド!





お気に入りは、
#03 『パトスとエートス』
#04 『HEROES』
#06 『Maybe』
#07 『アイロニックスター』
#11 『月の子供』





この作品が好きなら、
・『素晴らしき日常』/アンダーグラフ
・『イデアの水槽』/GRAPEVINE
などもいかがでしょうか。





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