>オリジナルフルアルバム
>タイトル:望郷
>アーティスト:cinema staff
>リリース日:2013年 5月 22日





聴きました!

“ロッキン出演アーティストを、これを機会に聴いてみよう”シリーズ(笑)要は予習です。
ロックシーンにおいて、最近よくお名前は見かけていたアーティストさん。気にはなっていたけど、中々音源チェックをするには至らずここまで来ましたが、、、
本作はメジャー1st.、通算2枚目のアルバムだそうですね。

それでは早速。



タイトル曲『望郷』からスタート。太いリズム隊とキャッチーなギターが中々素敵なバランス。歌声は、一聴すると「LEGO BIG MORL⁉︎」と思う程レゴのボーカルの方に似ているように感じました。
前半の抑えた感じから、中盤以降で一気に弾けてアッパーに広がる展開が好き。

#02、『世紀の発見』。のっけから爽快に、パワフルに、メロディアスに。奔放なんだけど、演奏的にはとても安定感があるんですよね。バンドという編成を踏襲はしていますが、その枠の中で最大限に自由な発想を持ってやっているなぁと感じました。タイトルが何だか物凄いですけどね(笑)

引き続きアッパーに、『西南西の虹(album version)』。こちらは前曲よりもパワフルで、武骨で、ロックンロールな曲。これはちょっと、ライブで聴いてみたいなぁ。バンドが限界までダイナミックなので。スタジオ音源だとね、どうしてもその辺がトリミングされちゃう感じがある気がして。

一旦テンションを抑えて、オシャレなポップロック『時計台』へ。変拍子の曲ですね。でも、ぼくがこれまでに聴いた事のある変拍子の曲たちの中でも有数の、“違和感”のない構成かも。「ポップソングは4拍子」という暗黙のルールの中で音楽にのめり込み、ゆずさんが3拍子とか8分の6拍子とかを多用しただけで「斬新っ!」て思うようなぼくは、基本的には変拍子の曲を「リズムを追う」という聴き方でしか聴けないのですが(笑)、この曲は、「曲」として聴く事が出来ました。

続いて『日記』。コーラスワークも映える、優しくて儚くてドラマチックな曲。「四つ打ち」「ライブ映え」ばかりを追求する事が多いように感じる近年の若手バンドにあって、この曲のこの感じは、90年代の全盛期J-POPの系譜を引き継ぐようなテイストで好感が持てます。

『待合室』。この曲に限らず、タイトルのネーミングセンスが独特ですね、、、って思ったけど、タイトルは歌詞から取られている事が多い様子。という事は、面白くて独特なのは歌詞のほうか。確かに、この曲を筆頭に、歌詞が独特。この曲に関してはそれプラス、メロディへの乗り方が面白い。ソングライター、コンポーザーとしての遊び心が炸裂していますね。

ヒネクレ感満点の、『いたちごっこ』。やっぱり、数ある表現方法のひとつとして四つ打ちのダンスロックチューンがあるというのが理想ですよね。この曲も、そういう意味で本作の中でとても映えています。
しかし…クセっ気満点。きっと、音楽が楽しくてしょうがないんだろうなぁ。
タイトル長いな(笑)、『あのスポットライトを私達だけのものにして』。物語性の強い曲ですね。歌詞的にはキャッチーなんだけど、それがこのゴリゴリしたサウンドに乗っかっているというのが面白い。

急にメランコリック、『夏の終わりとカクテル光線』。ここまで雄々しい豪速球を投げ続けてきて、ここへ来て急にこんな甘い球を…やり手だな(笑)ホロリとくる感が、この曲順のせいで7倍くらいにまでなってますよ。アコギのアルペジオを中心に構成される、繊細で儚げなミドルバラード。歌声も、他の曲よりも「丸く」て「物悲し」げ。後半に入ってバンドも入ってくるけど、儚くて繊細な世界観は最後まで一貫。まさに夏の終わりのあの物悲しさ。

再びアッパーに…というか別のアーティストの曲みたいなテンションで『蜘蛛の巣』。絶叫しまくり、ノリに任せたパンクサウンド。
イメージ的には洋楽…しかも、『タモリ倶楽部』の空耳アワーでよく取り上げられてそうなタイプの(笑)

馴染みのあるボーカルスタイルに戻って、『革命の翌日』。BPM的には速め、サウンド的には重厚感のあるロックンロールサウンド。メッセージ性が強いけれども、それはどこかシニカルで。自分の日常に置き換えられるし、そこから気付かされる事がリスナーそれぞれにありそう。

繊細なほうと武骨なほうが絡み合うギターワークが印象的な、『小さな食卓(album version)』。テーマが身近で「半径5m」といった感じなのに対して、サウンドには非日常のダイナミズムがあって。その辺も、面白い。色んなところに「対比」が感じとられる曲です。

ラストは『溶けない氷』。アコギの音とストリングス(チェロかな?)が柔和に響く、儚くも柔らかい曲。眠れない夜に聴くのがいいかも。いや、それは「眠れるようになる」という意味ではなくて、「(眠るのを諦めて)これまでの事、そしてこれからの事に想いを馳せながら朝を待つのに丁度いい」という意味で。



そんな、計12曲。

4人のバンドのアンサンブルを尊重しながら、曲によっては他の楽器も取り入れていて。「(メンバーだけで成り立たせるという意味での)チームワーク」よりも、楽曲が一番伝わりやすくなる方法を選べる方々なんだなぁと、好感を持ちました。
バンドサウンドに委ねる曲もあり、歌詞を聴かせる曲もある。その緩急のつけ方は、90年代の全盛期J-POP時代の手法を受け継いでいるように感じました。

欲を言えば…後半、ちょっと息切れした⁉︎



お気に入りは、
#01 『望郷』
#04 『時計台』
#05 『日記』
#08 『夏の終わりとカクテル光線』





この作品が好きなら、
・『Mother ship』/lego big morl
・『Unreal』/flumpool
・『T H E』/trocot
などもいかがでしょうか。





iPod nanoにも入れておきたいレベル(^.^)










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