>オリジナルミニアルバム
>タイトル:#apieceofcake
>アーティスト:LILI LIMIT
>リリース日:2016年 1月 20日





聴きました!

お初のアーティストさん。何で知ったんだったかなぁ…店頭で試聴したか、もしくはジャケ買い(厳密にはジャケ借り)だろうなぁ。

とにもかくにも、まずは各曲の感想から。



『Festa』からスタート。パーカッションの音が軽快に跳ねる、爽快ポップチューン。そうかそうか、こういう音楽の人たちなのね。四つ打ちのビートには正直既視感があるけれども、ボーカルのメロディラインとかバンドのアンサンブル以外のアレンジ(コーラスワークとか)なんかには個性があって、嫌いじゃないですね。

デジタルなサウンドを取り入れて、だけどバンドのダイナミズムも生かしながらの『Boys eat Noodle』。今の時代が帯びている、猥雑でカオスで刹那的な空気感を切り取っている感じです。ヴァース部分の、ダンサブルな言葉の乗り方が好き。それはまるで、ヒップホップMCが踏んだ見事なライムのように。
サウンドとヴァースが華やかな分、サビがパンチに欠けているように感じちゃってそこだけやや残念。

さらにダンサブルに、『N_tower』。打ち込みのウーファーは、もう完全にダンスチューンのそれ。バンドの編成に過度に固執せず、楽曲が一番映える方法をチョイス出来るバランス感覚が素敵です…つか、この方々、どーゆー編成なの⁉︎と思って調べたら、キーボード込みの5人組バンドだそうですね。

軽快で爽やかなリズムとそこはかとなく広がるほろ苦さは正にコーヒーの香りのような、『morning coffee』。切ないだけではなく、爽やかなだけではない。苦いだけでもなく、刺激的なだけでもない。そんな、複雑で奥行きの感じられる曲です。聴いたあとにほのかに残る後味も、なんとも言えず特徴的です。

オシャレなポップス、『seta gaya』。なんというか…最先端のオシャレさと、だけど雑多というか猥雑というかそういう多様性に溢れた世田谷という場所の雰囲気を、そのまま曲に落とし込んだような。親しみやすさもあり、だけど前衛的でもあって。なんというか、悪く言えば「つかみどころがない」のだけれども、その実すごく生活臭さと人間臭さのある、そんな街の雰囲気をパッケージングしたような作品です。

打ち込みのビートが作品の流れをガラリと変えて、『vanilla ice claim』。マーチのように規則的に刻むドラムス(特にスネア)がキャッチーさを決定付けていて、「やっぱり“打ち込み=ドラムスないがしろ”ではないよなー」と、なんか変なところで納得する曲でもある(笑)その楽曲の持ち味を最大限に生かすのが、アレンジ力!

ストレートなパワーポップ、『lycopene』。感傷的な雰囲気は、歌詞やメロだけではなくてクリアなセッティングのギターの音色のせいでしょうか。コーラスの声も好きです。テンポには疾走感があり、バンドの演奏はアグレッシブなんだけど…どこかふんわりとしていて幻想的な匂いのする曲。
ボーカルの伸びやかな歌声も、何となく湿度があって、胸をぎゅっと締め付けられるようで、イイ!

ラストは『nnmnd』。歌詞にもあるように、年越しの夜が明けていく瞬間の、少しずつ空気が動き始める感じがよく表現されていると思いました。朝焼けとか、明るさとか、そういう事にフィーチャーした夜明けの歌は比較的よく見かけますが…雑多な街がガチャガチャとし出す様を切り取った歌はあまり聴いた事がなかったかも。



そんな、計8曲。

うん、ぼくの選球眼は衰えちゃいなかった(笑)ぼくの好きなタイプの作品を、そしてアーティストを、またひと組見つける事が出来たので。

ギターバンドではあるけれども、シンセや打ち込みのサウンドも必要に応じてどんどん取り入れていて、その辺りに“楽曲至上主義”を感じ、好感の持てるいいバンドに出会えたなぁと思いました。今後も引き続きチェックしていきたいバンド。

まぁ、もうちょっとやんちゃで奔放であっても良いのかな?とはおもいましたが。





お気に入りは、
#01 『Festa』
#02 『Boys eat Noodle』
#04 『morning coffee』
#05 『seta gaya』
#07 『lycopene』





この作品が好きなら、
・『OTOTUNE』/フレデリック
・『アルトコロニーの定理』/RADWIMPS
・『ヘッドォンミュージック』/ココロオークション
などもいかがでしょうか。





CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/










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