>オリジナルフルアルバム

>タイトル:ACACIA;
>アーティスト:Q;indivi
>リリース日:2010年 6月 23日
>記事作成日:2016年 1月 6日





久しぶりに聴きました!

確か、最初は「大好きなRIP SLYMEのSUさんがフィーチャーされた曲があるから聴いてみよう」という予備知識だけをきっかけとして、手に取ったと記憶しています。
Rin Ogawaさんをボーカルに据えた『Celebration』シリーズは聴いた事があったため、てっきりそういうキラキラ系の音専門のアーティストさんだと思っていて、だからSUさんとのコラボすらイマイチ想像がつかなかったんですよね。
そういう入り口から入ったのに、本作は完全にそことは異なるQ;indiviが居ました。フィーチャリングアーティストの名前を見れば、確かに『Celebration』シリーズと地続きの作品になるとは到底思えませんよねぇ。

というか、そもそも、Q;indiviっていうのは誰かのソロユニットか何かなんだろうと思っていたのですが、そこから間違えてました。田中ユウスケさんが中心にありながらも、固定のメンバーを持たないクリエイター集団のチーム名なんですね。それなら、『Celebration』から本作までこれだけ幅広い楽曲を生み出せるのにも納得です。



『isolation』
雨の音のSEが効果的に組み込まれたインスト曲からスタート。この、1分強の短いイントロダクションだけで、『Celebration』のQ;indiviではない事が伝わってきて、ワクワクドキドキします。

『ACACIA;』
早速驚きの人選、チバユウスケさんを迎えてのタイトル曲『ACACIA;』。切れ味の鋭いガレージロックのサウンドの上でシャウトするチバさんしか聴いた事がなかったので、これはかなりの衝撃。どんなトラックとコラボしても、チバさんはチバさんでした。もう、全開です…でも、凄いのは、そんなチバさんにまったく負けていないQ;indiviさんのトラック。こちらはこちらで、あのキラキラ感のある華やかでデジタルなトラックメイキングを存分に炸裂させていて。もっとも凄いのは、どう考えたってケンカしそうな2つの強烈な個性が、見事に調和している点。これはもう、感嘆しかないですね。

『a world of difference』
元々のお目当てだったSUさん登場。SUさんが、MCというよりももはやサンプリングアイコンのように機能しているダンスミュージック。そういうSUさんが、なんだかとっても好き(笑)。
四つ打ちのキラキラデジタルサウンドと、SUさんの低イイ声が、なんとも言えずダンサブルにコラボ。

『Forever』
失礼ながら、取り敢えず「誰⁉︎」という疑問から始まるこの曲。フィーチャリングアーティストのblanc.さんというお方…どっかで聴いた事のある気がする声なんだけどなー、気のせいかなー、とか思っていたら、なんとMONKEY MAJIKのボーカルの方なんですね!blanc.というのは、ソロの時の名義だそうで。
四つ打ちのディスコチューンですが、そこはかとなく漂う儚さ。これは、トラックによるものなのかblanc.さんの声質によるものなのか。トラックは「まさにQ;indivi!」なのに、歌声は「まさにモンマジ!」。この曲もまた、2つの個性が見事にシンクロしています。

『LOVELESS』
生音の太さと厚さが光る曲。特にギターがソリッドでカッコいいですね…と思ってたら、フィーチャリングボーカルは元・椿屋四重奏の中田裕二さん。だからか、ギターがこんなに厚くて熱いのは。ちょっとプログレっぽくもある、バラエティに富んだ構成が印象的。

『±0』
またまた「誰⁉︎」から始まる、『±0』。フィーチャリングアーティストはTAKA-Beeさんという方だそうで…この方に関しては、検索してみてもイマイチどういう方なのかが判然としませんでした。どうやらネット界隈の方面の方のようですが。
声、良いですねぇ。優しくて、柔らかで、しなやか。ぼくのイメージ的には、“アイドルバンドのボーカル”といった感じ。やや強めの美意識と、安定したピッチ。ぼく、好きです。
曲的にも、サビで一気にテンポを変える爽快かつほんのり切ないノリが大好き。

『Honesty』
洋楽のスタンダードを元ビークルのヒダカトオルさんがカバーした曲。ビークルとはまた違った方向にエモーショナルなヒダカさんのボーカルが、兎にも角にも印象的。胸を締め付けられるような切なさは、もはやオリジナルのビリージョエルさんをも凌駕していると、個人的には思います。

『sleep tight』
『hanabi』
エキゾチックな魅力を響き渡らせる(ほぼ)インストのインタールード『sleep tight』を挟んで、そのまま『hanabi』へ。モンパチのキヨサクさんをフィーチャーして。生音が主体のゆったりとしたグルーヴ、感傷的なメロディ、秋の虫の声、キヨサクさんの柔和な声、そして何とも切ない歌詞。総力を挙げて、リスナーを泣かせにかかってるな(笑)。
胸が、強く強く締め付けられる…悲しいだけじゃなく、優しいだけじゃなく、とにかく色んな感情がぶるんぶるんと揺さぶられる、そんな曲。もう、何百回聴いただろうか。

『stgllness in movement』
ラストは、アウトロ的インスト曲。どことなくスペーシーな浮遊感を漂わせる、未来感の強い曲。



そんな、計10曲。

基本はデジタルサウンドというかエレクトロな感じなんだけど、曲によっては歌が、また別の曲ではギターが、ストリングスが、バンドアンサンブルが、、、とにかく色んな方面から多彩な景色を見せてくれる一枚。

名盤だと思います。





お気に入りは、
#02 『ACACIA;』/Q;indivi+チバユウスケ
#03 『a world of difference』/Q;indivi+SU
#06 『±0』/Q;indivi+TAKA-Bee
#09 『hanabi』/Q;indivi+キヨサク





この作品が好きなら、
・『Joyous』/冨田ラボ
・『kiss me EP』/ヒゲドライVan
・『Mellow Disney -R&B Revisted-』/V.A.
などもいかがでしょうか。





CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/










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