>オリジナルミニアルバム
>タイトル:シノニムとヒポクリト
>アーティスト:ササノマリイ
>リリース日:2014年 10月 15日




聴きました!

店頭でたまたま耳にしまして。
全く存じ上げないアーティストさんでしたが、ボカロPだったみたいですね。何となく、そんな気がしてました。何故か?って言われるとよく分かりませんが、何となく(笑)
ボカロP出身のアーティストさんの曲って、何となく、相通じる“匂い”のようなものを感じます。あ、「曲が似かよってる」とか、そういう事では一切なくて。


『戯言スピーカー』からスタート。淡々としていて、物悲しさの漂うナンバー。サビのコーラスワークが美しくて、それがまた儚さを引き立てます。

#02、『自傷無色』。何なんだろう、この病的なまでの自嘲感。思春期の、自意識の高さゆえに些細な事にも傷付いていた記憶が甦ります(笑)
でも、デジタルで無機質な、それなのに微かな温もりも感じるトラックとメロディは秀逸としか言えない。

#03、『オノマトペメガネ』。打ち込みを基本としているようですが、ピアノもステップ入力なんですかね?それとも生音??いずれにしても、ピアノの“生感”とそれ以外の音の“デジタル感”のバランス感覚が絶妙です。
この曲は少し、ほんの少し、コミカルな感じもあり、前2曲で極限まで高まった緊張感を少しほぐしてくれます。

#04、『ふたりで。』。サビで一気にアガる感じは、もはや気持ちよくすらあります。

#05、『ハルニキミト』。ギターは生の感じがします。どこかシニカルな感じもしつつ、でも誠実な感じもあるんです。言葉数の多い歌詞がカチリとメロディに嵌まり込んでいて、聴いてて気持ちよくなります。

#06、『弾けないギターを片手に』。タイトルとは裏腹に、冒頭のセンシティブなギターリフが印象的。
冒頭だけじゃなく全編を通して、結構ギターがいい味を出しているように感じますが。

タイトル曲、『シノニムとヒポクリト』。物悲しさのエネルギーは本作随一。とことん落ち込みたい時にいい曲(笑)

ラストは、英語バージョンの『戯言スピーカー』。ぼくは、意外とこっちのほうが、歌詞の異様なまでの内向き加減に引っ張られなくて好きかも。


そんな、計8曲。

プラス、レコードショップごとに異なる特典ディスク(本作収録曲の中から、どれか1曲のボカロVersionを収録)が付いてくるそうです。ぼくはヴィレヴァンで買ったので、『自傷無色』でした。
ボカロVer.は、、、ボカロがこれだけ市民権を得たこの時代にこんな事を言うと袋叩きに遭うかもしれませんが(笑)、ちょっとその存在意義が分かりません。フツーに歌ってもちゃんと伝わる歌声の持ち主が、敢えてボーカロイドを使う意味って…?普通に握っても充分旨い寿司職人が、敢えてシャリを機械に握らせてるような、そんなイメージ。
ま、古い世代のボヤキなのでスルーして貰えればと。

ボカロの話しになっちゃいましたが…アルバムは、鬱々としていながらも聴きやすいという、ありそうで無かった事をポンとやってしまったような、さりげない力作だなと思いました。
この先に興味がありますよね。このまま、ネガの塊みたいな曲だけだと飽きられちゃうと思うし。思春期のような閉じた世界観から、今後どう広がっていくのか(もしくは頑なに広げないのか)。
本作のように、思春期の青臭さを全開にしたような作風も嫌いじゃないけど、個人的には次は“他者”の存在が見えるような、視野の広い作品を期待しています。せっかく、これだけのコンポーザー&アレンジャーなんだから。




お気に入りは、
#01 『戯言スピーカー』
#02 『自傷無色』
#03 『オノマトペメガネ』
#06 『弾けないギターを片手に』




この作品が好きなら、
・『YANKEE』/米津玄師
・『EARTH』/世界の終わり
・『Kiss me EP』/ヒゲドライVan
などもいかがでしょうか。




iPod nanoにも入れておきたいレベル(^o^)









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音楽雑記帳