>オリジナルフルアルバム
>タイトル:シフクノオト
>アーティスト:Mr.Children
>リリース日:2004年 4月 7日




久しぶりに聴きました!

何となくぼくは、この作品以降が“今のMr.Children”って感じがするんですよね。もちろん、もう10年も前の作品なので、時系列的には“今の”もクソもないわけですけど(笑)
“今のモードの”というのがより正確なのかな。とにかく、本作辺りからは、すべての作品が兄弟のような、そんな印象を受けるのです。


#01、『言わせてみてぇもんだ』からスタート。まず、タイトルがねぇ(笑)ずーーーっと昔、『BOLERO』の頃に『タイムマシーンに乗って』について「“要らんのだ”とか、以前ならしなかった言い回し」みたいなことをインタビューでおっしゃってた気がするのですが、もはやそんなレベルとは比べ物にならない言葉のチョイス。
サウンド的にも、毒気に満ちたへそ曲がりなアレンジが何とも秀逸。

#02、うって変わって疾走感あるロックチューン『PADDLE』。逆境に立ち向かう勇気をくれる言葉が並んでいます。
ちなみに、11年(だったかな)のap bank fesでやったバージョン(テンポがやや速くて、間奏が異なる)も好きだったなぁ。

#03、『掌』。猥雑で混沌とした雰囲気は、911以後の殺伐とした空気感をそのまま切り取ったようでした。鳥肌が立つほどカッコいい。

一転して、切なくも温かいポップソング、『くるみ』。基本的には失恋の歌なんだけど、生きるうえの様々な場面で力になってくれるフレーズが盛り沢山です。ハッピーばかりではないけれど、それでも次に進もうと思えるようになる曲。

感傷的な気持ちになる、『花言葉』。ギターのエフェクト具合が非常にいい!シンプルに、そして端的にまとまってる感じもメリハリがあって素敵。

重厚でラウドな『Pink~奇妙な夢』。比喩的な歌詞の、ダークファンタジーみたいな曲。励まされるフレーズでも感動的なメロディでもなく、どちらかというと怖い曲なんだけど…時々無性に聴きたくなる。中毒性のある曲。

#07、『血の管』。ピアノのイントロが、背筋がゾクリとする怖さ。ハリウッドのパニックホラー映画ではなくて、ジャパニーズホラーのような…。怖さというか、半端ない質量の物悲しさの塊がぶつかってくる感じに近いかな。桜井さんの優しい歌声にほっとするのも束の間、その声からも底知れない喪失感が漂っているという…とにかく、生々しくて物悲しい曲。
…でも、好き。

前曲からの落差もあって、異常にほっとする『空風の帰り道』。淡々とした演奏のうえで歌われているのは、大事な人の帰路を惜しむ、切なくも愛情に満ちた気持ち。
いつかの単独ライブのオーラスの時の、最後に転調するバージョンも好きです。

シングル曲、『Any』。今でも、へこたれそうな時にはよく聴く曲。どこを切り取っても共感できるし、どこをどう切り取っても励まされる。
うん、確かに「きっと、答えは1つじゃない」んだよな。

#10、『天頂バス』。混沌としたA・Bメロから入ってサビで突き抜けカタルシス、、、って構成はちょくちょくありますが、どちらかというとこの曲はその逆。最初はUSロック的な、アコギでザクザク刻むカラッとした質感なんだけど、サビで何だかヘビーになってきます。
そして、結構長尺な曲だけど、それを感じさせません。

メッセージソング、『タガタメ』。当時、ラジオ限定で音源が解禁されてたり、報道番組の『News 23』で歌ったり(というか番組冒頭からコメンテーター席に居たり)、何かと特種だった曲。『~23』での、桜井さんの鬼気迫る眼差しが忘れられない。

ラスト、『HERO』。確か、最初に聴いたのはCMで。その、あまりにもストレートな歌詞と感動的なメロディ&アレンジに、目頭が熱くなったのを覚えています。
大切な人に対する想いが、完璧な言葉で表現されています。ありとあらゆる日本語の歌詞の中で、確実に最高峰だとぼくは思っています。


そんな、計12曲。

濃い!とにかく濃い!!
どの曲にもそれぞれに個性があり、だけどそれが1枚のアルバムとして奇跡のバランスで並んでいます。
大袈裟ではなく、「日本人で良かった」「J-POPに触れられる環境で良かった」と思った1枚。

ジャケットも、センスに溢れてます。佐藤可士和さん…Mr.Childrenさんって、気鋭のクリエイターとことごとく一緒に仕事してますよね。丹下紘希さんしかり、森本千絵さんしかり。




お気に入りは、
#03 『掌』
#04 『くるみ』
#05 『花言葉』
#09 『Any』
#10 『天頂バス』
#12 『HERO』




この作品が好きなら、
・『三日月ロック』/スピッツ
・『花鳥風月』/レミオロメン
・『musium』/スキマスイッチ
などもいかがでしょうか。




CDで手元に置いておきたいレベル\(^o^)/