>オリジナルアルバム(フル?ミニ?)
>タイトル:CAPS LOCK
>アーティスト:CAPSULE
>リリース日:2013年 10月 23日




聴きました!

まずは…この曲数は、ミニアルバムなのかフルアルバムなのか(笑)なんか、この方々のこれまでの感じを見てると、フルアルバムの意識なんじゃないかと思います。
いやそもそも、フルなのかミニなのかは全然重要ではなくて、ぼくが異常にそういう所を気にする性質なだけです(笑)

そして、この作品から、アーティストの表記が大文字になりましたね。なんか、予想以上に“変わった感”を受けました。初めて見るアーティストみたい。

そして内容。
本作は、収録曲のタイトルがPCキーボードのキーetcの名前で統一されてます。DTM的音作りを象徴するようなプレイリスト。


オープニングは『HOME』。インストですね。ビターでアシッドな、このところのcapsuleさんとは一線を画す肌触り。そしてこの肌触りは、本作に首尾一貫しているものです。

#02『CONTROL』。こしこさんの声も完全に音の1つとして溶け込んでいます。溶け込んでいるというか、組み込まれている感じ。隙間なくガッチリと組み込まれていて、上手くいってる時のテトリスみたいな無機的な美しさ。

#03、『DELETE』。6分半の大作。ヤスタカさんの趣味が炸裂しているように聴こえます。こういう音に快感を感じるんだろうなぁ。

#04『12345678』は、「もはやプログレ!?」とも思えるような構成。生活音や機械音が織り成すリズムから入り、規則的に刻むテンポがある種の気持ちよさを与えてくれます。そして、ここでもこしこさんは楽器として潤滑油的に機能しています。

#05『SHIFT』。急にポップなイントロに、びっくりするようなほっとするような。“ポップなラインナップの中にマイナーな曲を入れてアクセントをつける”という手法はよく目にしますが、これはその真逆。その感じが、今のCAPSULEを象徴しているようにも感じます。
だってこの作品、絶対、セールスの事なんか考えてないですよね(笑)…(音楽性ではなく)マインドは完全にロックンロール!

#06『ESC』。再びプログレ的世界観へ。もはや読経のような、深淵で厳粛で硬質な空気。

#07『SPACE』は、前曲の磁力を引き継ぎつつもそこから大きく展開する楽曲。BPMが上がって、段々と高揚感を焚き付けられます。最終的には「この場合の“SPACE”って、キーの事ではなく宇宙の事では!?」と思わされるような世界観…しかも、東洋的・神秘的な宇宙観に引き込まれます。

#08『RETURN』。ラストです。坂本龍一さんを思わせるような印象的なピアノの旋律から始まり、テクノ的な構成に移行していく曲。


以上、8曲。

インスト多いな!…というよりも、この作品は一曲一曲を取り上げて聴くよりも1つの組曲として聴くべきなんだろうな。インスト曲が多いとか少ないとか、そういう次元ではない。

なんか、『SPACE』に代表されるように、本作は全体的に東洋の匂いというか、神秘的なパワーを感じる仕上がりだったと思います。内面に深く潜るような、そして、詫び錆びというか奥ゆかしさというか、そういった類いのもの。本当に、歌詞やボーカルが殆どないので、五感で感じ取った印象というかね。だから、ぼく以外の人は全然違う受け止め方をするのかもしれないけれど。
お寺とかで聴いても、ぼくならしっくり来ます。

でも…こしこさんのカジュアルな歌声も聴きたいぞ!(笑)

本当に、中田ヤスタカさんは、セールスの事とかシーンの潮流とかは一切見ないで本作を作ったとしか思えない!それほどにインパクトのある作品だし、悪く言えば“浮いてる”、よく言えば“孤高の”作品になっていると思います。
ぼくはきゃりーぱみゅぱみゅさんの音楽は殆ど聴いたことがないのですが、ああいった商業的な成功があるからこそ、本作のような作品も出せるんだろうなと思います。そういう意味ではどこで何が繋がってるか分からないし、色んなものは影響しあってるんだなぁと思えます。




お気に入りは、
#05 『SHIFT』
#07 『SPACE』
…でも、本作はそうやってバラで抜き出して聴くような作品じゃない!




この作品が好きなら、
・『LIAR GAME サウンドトラック』/中田ヤスタカ
・『UF(Ultimate Films)』/坂本龍一
・『風神雷神』/→Pia-no-jaC←
などもいかがでしょうか。




iPod classicには入れておきたいレベルf(^_^;