今回はサスペンションについて
バネだけじゃなく、サスペンション全体の動きと反力に注目したお話し


 

 


 

◆ サスペンションに必要な「3つの要素」

1つ目:反力
→ タイヤのグリップを最大限活かすには、サスペンション全体の反力が不可欠。これがなければ車体を支えられない。

2つ目:車高(姿勢)
→ ピッチングセンターの位置を含め、車体姿勢を安定させる。

3つ目:姿勢制御
→ ストローク量を適切に調整して、常にタイヤへ安定した荷重を与える。

 


 

◆ 減衰の役割とは?

サスペンションが動作すると、反力が発生する。
この反力でタイヤのグリップは活かされるが、バネだけでは動きを止めきれずに「振動」が起きる。
その振動は自然と収まるが、一定時間は「伸び→縮み→伸び…」を繰り返す。

この振動を抑える力=減衰力
つまり、ショックアブソーバーが持つ減衰力で、ストロークのスピードをコントロールしてる。

 


 

◆ 人間で例えると…

この振動を人間の“感情”に置き換えて考えると

  • 振動 → 怒ったり泣いたり喜んだり、情緒不安定な感情の起伏

  • 減衰 → その感情をコントロールする力

気持ちのコントロールができれば、物事が安定して進むように、
サスペンションも減衰力で動きを抑えることで、安定した姿勢を維持できる。

 


 

◆ 減衰力が適正でないとどうなるか?

  • 減衰が弱すぎると:振動が止まらず、車体が安定しない

  • 減衰が強すぎると:ストローク速度が遅くなり、タイヤに荷重が瞬時にかからずグリップを活かせない

つまり、減衰は強ければいいわけではない。適正な値が絶対に必要。

 


 

◆ 反力とは「バネだけじゃない」

サスペンションの反力とは、単にバネの力だけではない。
タイヤ・アーム・ブッシュ・メンバー・ボディ
これら全ての部品に「弾性」があり、それによる「弾性力」が発生する。

金属も応力が加われば歪む。そして元に戻ろうとする=弾性。
この力が物体に伝わること、それが反力

 


 

◆ 減衰力は「ショックアブソーバーだけ」じゃない時代

バネの反力に対して働くのが減衰力。
しかし、メンバーやボディにも弾性があるなら、これらにも減衰力を加えることでサスペンションの働きをより効率的にできると考えられる。

実際にそれを実現した商品も存在している。

  • 自動車用:
     → 流体ブッシュ(液入りゴムブッシュ)
     → サードダンパー(ボディ減衰装置)

  • バイク用:
     → スイングアームマスダンパー

F1・スーパーGT・MotoGPといった世界最高峰のレースでも採用されているほど、信頼性と効果の高い技術。

実際にこれらを使用し良い成績を出したり歴史に残るような技術もある。

 


◆ まとめ

サスペンションとは、単にバネとショックの組み合わせではない。
サスペンションを構成するすべての部品に弾性があり、それらが生む反力をいかにコントロールするかが重要。

つまり:

● バネにはショックアブソーバーが必要
● メンバー・ボディ・ブッシュにも、減衰を加えることは理にかなっている

にもかかわらず、ドリフトでもグリップでも、何も考えずに補強したりピロ化したりしても良い結果が出ないことも多い。

だからこそ、「サードダンパー12万円⁉高すぎ!」と思っても、適切な場所に、適切な減衰を追加すれば、驚くほど車体は安定し、タイヤの本領を引き出せる。

 

SNSが普及し情報が溢れる現代社会で

サスペンションにおいては特に、理論が難しくて理解している人は少ないので誤情報は多くある。
名のある車屋さんでさえ、知らずに誤情報を出してしまうこともあるし、中には意図的に嘘をつく者もいる。

一番悪いのは嘘をつく人間だと思うが
それを無防備に信じてしまう側にも責任はある。

 

そうならないためには、日々学び、日々疑い、日々検証していく。

簡単に得られるような情報にはそれほど価値はないかなと。

 

目的を明確にして、自分の頭で物事を考えて、自分の判断で行動することが大切かと思います。

 

 

そんなわけで良いカーライフをお過ごしください。