「こちら葛飾区亀有公園前派出所」 40年の「軌跡」そして「奇跡」 秋本治さん 紫綬褒章を受章 | 20世紀漫画少年記

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 11月2日、 政府は2019年秋の褒章受章者を発表した。 紫綬褒章に1976年から2016年まで「週刊少年ジャンプ」に「こちら葛飾区亀有公園前派出所」を40年間連載していた秋本治さんが選ばれた。

   「「こち亀」秋本治氏、ジャンプ作家初の紫綬褒章「もし両さんが・・・」」(スポニチ)

https://mainichi.jp/articles/20191102/spn/00m/200/009000c

 

 平成から令和へと時代が変わった今年、漫画界は訃報が相次ぎ、明るい話題は無かった。

学問や芸術などで功績を残した人に贈られる紫綬褒章に
学問や芸術などで功績を残した人に贈られる紫綬褒章に
学問や芸術などで功績を残した人に贈られる紫綬褒章に
学問や芸術などで功績を残した人に贈られる紫綬褒章に
学問や芸術などで功績を残した人に贈られる紫綬褒章に
学問や芸術などで功績を残した人に贈られる紫綬褒章に

 このような明るい話題は本当に久しぶりである。
 私も本当は4月29日に亡くなられた「孔雀王」の
荻野真さんの追悼記事を書く予定だったが、今回の受賞を聞き急遽、秋本治さんの受賞記事に変更した。

 

 

 

 「こちら葛飾区亀有公園前派出所」(以下「こち亀」)の連載が始まったのは1976年。連載が始まった時点ですでにジャンプは週刊少年誌のトップだった(一時期「少年チャンピオン」が抜いたことはあったが)。その後も「Drスランプ」「キャプテン翼」「キン肉マン」「北斗の拳」「シティハンター」「ドラゴンボール」「聖闘士星矢」「スラムダンク」等の数多くのメガヒット作品を生みだし、1995年には前人未到の653万部を達成しギネスブックにも登録された(2019年現在、いまだにこの記録は破られていない)。

 

 正直言えば「こち亀」はそうしたメガヒット作品と比べれば上位人気という訳ではなく、一時期は「上位グループと下位グループのボーダーライン」と呼ばれていた。しかしそうしたメガヒット作品が生まれ、そして消えていった40年、いつしか「少年ジャンプ」の部数も200万を切ってしまったが、「こち亀」はその間ずっと連載していたのだ。人気がなくなれば打ち切られる少年漫画誌、とりわけ少年ジャンプにおいてこれは本当に奇跡的なことなのである。

 

 「こち亀」の40年の「軌跡」、それは同時に40年の「奇跡」でもあった。

 

 学問や芸術などで功績を残した人に贈られる紫綬褒章が秋本治氏に贈られるのも当然と言えよう。

 

 秋本治先生の紫綬褒章受章を心からお祝い申し上げます。