「黄昏の囁き」 綾辻行人 講談社 ★★★★★ | 水底の本棚

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兄急死の報に帰郷した医学生・翔二は、元予備校講師占部の協力で、事故の真相を追い始めた。「ね、遊んでよ」という謎の「囁き」に異常に怯える兄の幼馴染みたち。やがて一人また一人と殺人鬼の魔の手が伸びるなか、彼の脳裏に幼き日の恐るべき記憶が甦る。「囁き」シリーズ第三弾。


黄昏の囁き (講談社文庫)



※事件の真相に言及していますので未読の方はご注意を。





彼らの記憶の中にある少年が、


実は痴呆の老人だった、というのはその絵を考えるとかなりの恐怖だ。


想像するとその異様な風景に肌が泡立つ思いだ。


占部の母が連続殺人の犯人であったことなどは、どちらかと言えば瑣末の話。


(これがメインストーリーなんだけどね)


恐怖は徐々に記憶が蘇っていくプロセス。


否応無しに物語に引きずり込まれていく。