1Q84の「3」 | 水底の本棚

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しがない書店員である僕が、
日々読んだ本の紹介や感想を徒然なるままに書いていきます。

書店のオシゴトの様子なんかも時々は。
本好きの方、ぜひのぞいてみてください。

ものすごく困った問題に直面しています。



昨年5月、新潮社の販売戦略が見事に当たって、爆発的な人気を博した村上春樹さんの「1Q84」。


book1とbook2合わせて3780円もすると言うのに、飛ぶように売れて、慢性的な品切れ状態が続いていました。

一体どれほどの、


「1Q84ってありますか?」


「申し訳ありません。あいにく、御品切れでございます」


って会話が日本中の本屋で繰り返されたことか。



平台に並べたそばから売れていくもんだから、


「これもう並べるの面倒だから、搬入してきたダンボール箱に入れたままにして放り出しておこうぜ」


「たぶんそれでも売れるよな」


なんていう、あほうな会話をした覚えもあります。



さて。

いよいよ、今年の4月には続編の「book3」が発売になるわけですが。


僕が困っているのは、はたしてこれはどのくらい売れるのか? ってこと。


前2作はたぶん村上春樹さんを読んだことがない人も(もしかしたら普段読書をほとんどしない人も)、ブームに乗せられて買ってくださっています。


で、面白ければ続編も購入してくれるでしょうけれど、個人的には村上春樹さんの作品群の中で、それほど突出して面白いとは思わないんですよね。


いや、むしろ村上春樹初体験の人だったら「もうこの作家は読まなくていいや」って思うかも。


今回はさすがに新潮社も「重版を抑えて希少性を高める」という戦略は使ってこないはずだし、以前ほどの爆発的売れ行きは期待できないでしょう。


と言って、万が一、前回に近い需要があった場合、みすみす売上を落とすことに……。




売れもしないのに大量発注し、アホみたいに在庫を抱えて泣く羽目になるか。


それとも、昨年みたいに「申し訳ございません」を連発する羽目になるか。


うーん。

どっちも嫌だよう。


ぜひ、みなさんのご意見をお聞かせください。


できれば、他の書店員さん。

どのくらい事前注文を出すか、教えてください。(←他力本願)


ホント、わかんないッス。