公益財団法人って何?

先日、「公益法人って何ですか?」とクライアントから尋ねられました。

公益財団法人ですが、近年設立されるものは特に、相続税を節税するためのツールであるケースが多いのではないでしょうか。

官僚・役人の天下り先であることが主たる目的である公益法人も多くありますが、公益法人制度改革以降、露骨な天下り法人はいろんな意味でやや自粛傾向にある気がいたします。

もっとも、

①相続税の節税と

②創設者等と官僚等の関係強化

の両方を目的としたものもあります。

 また、当然のことですが、純粋に公益を目的として設立された公益法人もあります。

ちなみに、「あしなが育英会」は、創設者である玉井義臣さんが官僚の天下りを受け入れなくてもよい(公益)財団法人ではない任意団体として創設されたそうです。(ウィキペィアより)

もっとも、「あしなが育英会」をwebサイトで検索すると政治的・思想的な書き込みが多く、現状や実態は私もよく知りません。

 

公益財団法人がなぜ相続税の節税になるのか

 財産をたくさん所有していると、死亡したときに相続税がかかります。

 この場合、個人名義の財産を公益財団法人に寄付してしまえば、寄付をした財産には相続税が課税されなくなります。なお、寄付をした財産は公益財団法人を通じて実質的に支配します。また、公益財団法人は株式会社などと違って誰のものでもありません(株主などのオーナーがいません。)。したがって、相続税から逃げられるというわけです。

 もっとも、税法はそう簡単に相続税回避を許容しているわけではなく、露骨に実質支配をしていれば、財産を寄付した公益法人等に対して贈与税が課税されるなどします。

 課税されないためには、細かい条件をクリアしたうえで、財団法人が社会的存在として認知される程度の公益活動を行う必要があります。

 こうしたハードルをクリアするためには手間と人とお金が結構かかりますので、一定規模以上の資産がないとコストに見合わないため、必然的に大企業オーナー程度以上の資産規模が要求されます。

 

海外に財団設立をする租税回避も

 海外は国税当局の目が届きにくいこともあり、リヒテンシュタインなどで財団を設立し、ここに財産を寄付して相続税を回避するスキームも販売されています。

 日本で公益認定を受ける必要もありませんし、手間も費用も若干お手軽に設立できるというふれこみです。また、なんといっても、日本の公益財団法人と異なり、より実質的に財団を支配できるのが魅力の一つと考えられます。

 安易にこうしたスキームに乗ることが危険であることにお気づきの方は多いと思いますが、民主的運営や公益活動など、いくら財団の体裁をととのえても、オフショア財団設立の場合は国税当局との全面対決を覚悟しておく必要があるというケースが多いと思われます。

 なお、公表事例ではありませんが、オフショア財団を信託として課税された事例もあります。

 

では対応策は?

 財団を設立したいという場合、単純にしっかりとした事前対策をたてることも考えられますし、ケースによっては課税リスクの少ない財団活用ができる場合もあります。個別にプロ中のプロに相談すべきテーマですので、セカンドオピニオンでもいいので特に詳しい専門家に意見を求めることになります。

 なお、こうしたテーマは専門性のみならずリスクも高いため、相談できる専門家は少ないと思います。弊社でもご相談には対応いたしますが、くれぐれも安易なセールスにのって後悔することのないように注意していただきたいものです。