思い返すと誰とも湿っぽい話をしていない。
したくもなかった。
また会えるんだもん。これで終わりなんかじゃないのに、無理矢理湿っぽい台詞とか空気を作るのも気持ちの悪い話だもの。
これが果たして、正しい考えかどうかは今の僕には分からないけれど、遠くに行ってしまうわけでもない、死に別れるわけでもない相手とは、しんみりとした別れの挨拶なんてごめんだったのです。
まぁ、
どうしても別れたくなくて、会う頻度が格段に減ってしまうことに耐えられない人に交わした抱擁は、結果として湿っぽくなってしまったかもしれないけれど。
