岩木山周辺には、「石神」や「石上」と付く名の神社(や遺跡)が点在しています。
今回訪れるのは、その中のひとつ。
 
  
鯵ヶ沢町の県道31号線から、石神神社餅の沢遺跡の看板が立つところで曲がります。

  
晴れていれば真正面に見える岩木山に向かって走ると、やがて餅の沢遺跡への看板が見えるのでそこで左折します。するとその先の道沿いに、こじんまりとした神社が見えてきます。

  
石神神社。
昔、集落の近くに神社を建立しようと石の周りの土を掘りあげたが、次の日には土が元に戻っていて、同じようなことが何度も続くので、この石はこの場所から動きたくないのだということになり、現在の場所になったとか……。


  
<祭神> 上筒男命、中筒男命、底筒男命 (住吉三神)

  
住吉(澄んだ入り江の意)三神とは、海の神、航海の神、和歌の神、オリオン座の三つ星とされるようです。

  
境内には、赤倉大神、庚申塔、猿田彦碑、月読命碑など。
尚、奥にある本殿には、ご神体の巨石(高さ180㎝・幅120㎝ほど)が鎮座している模様(閉じられていて見られませんでした)。石を祀る信仰は縄文時代から行われてきたものらしいですが、ここの地名にも「石神」と付いています。

石つながりで、この近くにある大石神社の過去記事もどうぞ<コチラ>。






  
次は、石神神社のすぐ東側にある餅の沢遺跡(縄文時代の遺跡)。
ここの地名もまた「餅ノ沢」ですが、「餅」と付くからには、「餅鉄(べいてつ)」と呼ばれる「鉄」が多く産出されたのであろうと推察。古代よりこの辺り一帯は製鉄も盛んだったようなので、岩木山は鉄分が多い山なんでしょうね(鉄分が多い山にはUFOの出現・目撃も多そう)。

  
石神神社の西側から発見された大型住居跡は、青森市の三内丸山遺跡で復元された大型住居に匹敵する大きさだとか。
 
  
ここでは石棺墓の見学が無料でできます。

  
ここから出土した遺物は、ほぼ欠けている板状土偶や土器を始め、ミニチュアのものが数多く発見されていることから、何らかの祭祀を行った場所とも考えられているようです(神社も近いですし)。

  
但し、これらはまだ狭い範囲での調査結果なので、今後さらに調査を拡大すればもっといろんなものが発見されると期待されています。
 
  
それでは見学~  古代ロマン! ワクワク!
 
  
第1号石棺墓

  
第2号石棺墓――

  
……と、その蓋。そして、第3号石棺墓。どんな方たちが眠っていたのでしょうか。
縄文時代や古墳時代のお墓には、しばしば赤い塗料痕が見受けられますが、この赤色顔料(ベンガラ)がびっしり詰まった土器も発見されていて、それらがまかれたものとされています。……魔よけ? それとも血液(=磁気的・霊的なもの)を意味しているのでしょうか。
そういえば土偶や土器にも塗られていましたね。
 
  
周辺のりんご畑。りんごも赤いですが、もしかしたらこれもまた意味が……あったりなんかして。まぁ、青森にりんごが入ってきたのは明治8年だそうですが。

  
6月下旬の頃。 雑木林のさらに向こう側には、石神川も流れている模様。