長期休暇が終わった後の初仕事ってなァ、何でこんなにも疲れるんでしょうか。
例年通り真選組の初仕事は屯所内の整理整頓。
まァ偏に整理整頓っつっても年明け前と年明け後で屯所内に変化が無いかチェックしたり、塵や埃がありゃ適当に雑巾で拭き取って終わりってな具合で簡単に済ませるんですが、今年は何故か屯所内にとんでもなく不思議な物があったんでさァ…。
────────────────────
───〔真選組屯所〕───
土方『総悟、倉庫の片付けは済んだのか?』
沖田『え?いやだなァ土方さん。「総悟」と「倉庫」を掛けたんですかィ?新年早々キレッキレの新ネタあざーっす。』
土方『いやそんなつもりで言ってねェよ。ちったァ真面目に答えろ。』
沖田『まだ手ェ付けていやせん。ちっと藁人形編むのに手こずっちまってて。』
土方『お前こそ新年早々何やってんの?ンな事やってる暇あるんだったら今すぐ倉庫行って押収物品の確認と棚の掃除してこい。』
沖田『俺一人でですかィ?流石に一人じゃ全てを確認しきれるとは思えねェんですが。』
土方『あー…それじゃあ山崎も行かせれば文句ねェだろ。…何処行ったんだアイツは。』
沖田『ザキの野郎ならさっき松の木の下で見知らねー外人共とミントンしてましたぜ。』
山崎『…フンッ!フンッ!』
外人共『ヘイヘイカモンサガルゥ~。』
土方『ンだあのボケカス山崎新年早々何エンジョイしてんだコラァァア!!』
────────5分後─────────
───〔倉庫内〕───
沖田『屯所内でミントンは流石に怒られらァ。』
山崎『沖田隊長だって藁人形作ってたじゃありませんか。』
沖田『お前の遊びと一緒にすんじゃねーやィ。アレは遊びじゃなくてマジなやつだから。』
山崎『尚更いかんでしょ。…何で俺だけ扱いが酷いのかなァ。』
沖田『そりゃあ外人とミントンしてねェと影が薄くて気付かれねェくらいしょっぱい存在だからじゃねーの?大体あの外人共どっから連れ込んだんで?』
山崎『…ボブとジョンは同じサークルで知り合って、ハリーとは先月魔法学校で知り合ったんです。』
沖田『いやそんな話聞いてるんじゃねーし。それでもそのハリーとか言う奴はあの有名な丸メガネっぽかったなスゲーやサイン貰っときゃ良かった。』
山崎『今度会ったら貰っておきますよ。』
沖田『ダンブルドアの分も頼みまさァ。だがロンのはいらねェ。』
沖田『ま、無駄話はここらで止めて、ちゃっちゃと倉庫の整理をしやしょうか。』
山崎『それじゃあ手前の棚に上がってる箱の中身から見ていきますね。』
───〔ガコッ〕───

沖田『…何この短い棒。どんな理由でこんなの押収したんでィ。』
山崎『ちょっと見させてもらいますよ。…!?隊長!この棒、間違い無いです!あのハリーが実際に使っていた魔法の杖ですよ!』
沖田『マジか、あの丸メガネこんな棒っきれ使って魔法唱えるのかスゲーやまさに新八君の強化版じゃねーか。』
山崎『…た、試してみても良いですかね?』
沖田『試すっつったって何かまじないみてェな呪文唱えるんだろィ?アダラカタブラー的な。』
山崎『大丈夫です、やる気と自信はあります!』
沖田『…俺に向けてやらねェってんならやってみろ。』
山崎『はい!それじゃあ早速…』
山崎『ピーリカピリララポポリノペーペルトー♪』
沖田『…いやそれおジャ魔女ど○みのやつじゃね?チョイス古くね?』
山崎『…ダメみたいですね。』
沖田『ダメも元々。ハナっから期待する時点で間違ってらァ。ハイ次俺の番。』
山崎『え?隊長も挑戦するんですか?』
沖田『俺が挑戦したら不都合でもあるってのか?次何か口答えしたらテメェをこの魔法の杖でカエルチョコに変えるから。』
山崎『すいませんそれだけは勘弁して下さい黙ってますんでどうぞお願いしますッ!』
沖田『ったく、まァ見てなせェ。一番隊隊長の底力、今に見せてやりまさァ。』
沖田『ちちんぷいぷいちちんぷいぷい、後ろの正面だーあれだ!ヤーッ!』
山崎『…いや、色々ツッコミたいんですけど、最後の掛け声が一番意味不明ですね。』
沖田『こりゃガラクタだな。張り切って損した気分でィ。』
山崎『ガラクタですか…でもハリーが使ってた杖に似てるんだよなぁ、何となくだけど。』
沖田『天人が行き交うターミナル近辺だと本物の偽物なんざゴロゴロ転がってるからな、コレもその内の一つっつー事で。そろそろ飽きたから箱に戻し…』
───〔ガサッ〕───
沖田『…ん?箱の中に紙切れ?』
山崎『ちょっと見せて下さい。…うーん、何か呪文のようですね。』
沖田『コレなんて読むんで?…ウィンガーディアム・レビオーサ?』
───(フワッ)───
山崎『……ちょっとちょっとちょっと待って待ってヤバいコレヤバいよマジなやつマジなやつ!何故か俺浮いてるんですけどォォ!!』
沖田『おォ、スゲーじゃねェかザキ。見事な武空術でさァ。こんな技今まで隠してただなんて、テメェも隅に置けねェな。』
山崎『もし武空術使えたとしても今このタイミングで披露しねーよッ!…いやそんな事じゃなくて!ついさっき隊長が変な呪文唱えたからこうなったんじゃないんですか!?』
沖田『それはありえやせんぜ。だってコレガラクタって結論出ただろィ?』
山崎『ピーリカピリララはまだしもちちんぷいぷいで魔法が使えるワケあるかァア!!隊長さっき別次元の言葉使ったでしょ!多分それが原因なんですよ!』
沖田『あー、アレか。確か…ウィン、ウィンガー。ウィンガーム・デストロイヤー…?』
山崎『別にかすってもないし普通に間違えてます!ちゃんと紙切れ見て唱えて下さいよ!』
沖田『ウィンガーム…いや、ウィンガーディアムなんちゃらだったな確か。…えーっと…ウィンガーディアム・ウェブサイト…かな。』
山崎『当てずっぽう止めろォ!!何で紙切れを見ないの!?バカなの!?俺はずっと浮いたままなの!?』
沖田『まァまァ、そのうち呪文の効き目は無くなると思いまさァ。土方さんには俺から報告しておくから安心して浮いてなせェ。』
山崎『え!?いやいや隊長待って下さいよ!その紙切れに解除の呪文らしきものは書いてないんですか!?まさかずっとこのまま!?そんなの嘘でしょ?!』
沖田『あァ、残念ながら書いてねェみてーだ。ご愁傷様、気の済むまでごゆっくり。俺ァまだコレを使いてェんで、ちょいと出掛けてくらァ。ほいじゃ、そういう事で。』
山崎『いやちょっ…待っ…ふ、副長大変ですゥ!沖田隊長がまた何か企んでますよー!気付いて下さァァい!いやその前に助けて下さい副長ォォオ!!』
────────────────────
…ってな具合でね、ハリーの杖は俺が頂戴したってワケです。
いやァそれにしてもコレはホント面白ェ杖でさァ。
人や物を宙に浮かばせる事も出来るし、使う人を選ばないってのが良いですよねィ。
あ、そういえばザキの野郎は今頃どうしてんのかなァ。
この出来事があってからもう3日経ってるんだけど、まだザキの姿を見てねェんだよなァー。
まァどうでもいいや。
