今回は前回述べたとおり、因数分解について勉強したいと思います。

因数分解は展開の真逆をすればいい、とよく言われますが、それだけではあまりピンと来ないので

大まかなイメージを説明します。

 

まず因数分解とは多項式をいくつかの因数の積にすることを意味する。

例えば自然数の35をイメージしたとき、積が35になる数を考える。

すると、7と5に因数分解できる。

因数とは掛けられてる数を意味するから、35の因数は7と5になる。

 

次は文字式の場合の因数分解について。

例 a^2-aをかっこで括って因数分解するとa×(a-1)

よってa^2-aの因数は、aと(a-1)となる。

 

また、自然数(1、2、3、4…と続く数の総称、0は含まれない)を素数(1とその数自身以外に約数を持たない数、1は素数ではない)の掛け算で表す素因数分解もある。

1は約数が二つじゃないから素数ではない。

 

〜因数分解の公式〜

 

①x^2+2xy+y^2=(x+y)^2

②x^2-2xy+y^2=(x-y)^2

③x^2-y^2=(x+y)(x-y)

④x^2+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)

 

例題① (x^2の係数が1の場合)

x^2+6x+8

これは④の公式に当てはめる。

=(x+2)(x+4)

 

例題② (x^2の係数が1でない場合

4x^2+16x+12

この場合は共通因数でくくる。

 

今回では項が全て4の倍数。

つまり4が共通因数。

4でくくると、4(x^2+4x+3)

=4(x+3)(x+1)

 

〜共通因数〜

 

共通因数とは、全ての項に共通する因数。

因数とは前述したとおり、一つの整式、数などを分解して積の形で表すときの、一つ一つの数や文字、整式のこと。

 

例 a^2+ab+ac

全ての項にaが共通しており、因数分解するとa×(a+b+c)となる。

このとき、aと(a+b+c)が因数であり、aは共通因数でもある。

 

〜文字が多い場合の因数分解〜

 

文字の種類が多いときは、次数の低い文字に着目して考える。

 

例 a^2+ab-3a+b-4

aについては2次式

bについては1次式

 

よって次数の低いbに着目する。

 

降べきの順に整理すると、(a+1)b+a^2-3a-4

=(a+1)b+(a-4)(a+1)

(a+1)を共通因数としてくくると、a+1(b+a-4)

=(a+1)(a+b-4)

 

〜一次式、二次式〜

 

一次式とは1番大きい次数が一次である文字式のこと。

例 3a-b+9

3aの次数は1、-bの次数は1、-9の次数は0

よって、この文字式の最も大きな次数は「1」になるから、一次式。

 

二次式とは1番大きい次数が二次である文字式のこと。

例 3a^2-b+9

三つの項の中で最も大きな次数を持つのは3a^2だから、二次式。

 

〜4乗の因数分解のやり方〜

 

x^4は(x^2)^2と表すことができ、x^2を文字に置き換えるのが基本。

例 x^4+3x^2+2

x^2をAと置き換える。

そのためには式を変形させる必要があり

 

(x^2)^2+3x^2+2=A^2+3A+2

=(A+2)(A+1)

=(x^2+2)(x^2+1)

 

例 x^4-2x^2-8

これもx^2をAと置き換える。

(x^2)^2-2x^2-8=A^2-2A-8

=(A-4)(A+2)

=(x^2-4)(x^2+2)

 

しかし、これで終わってはいけない。

(x^2-4)はまだ因数分解できるから、

(x+2)(x-2)(x^2+2)となる。

 

〜たすきがけ〜

 

例 3x^2+5x-2

たすきがけではx^2の係数(今回は3)と定数項(今回は-2)に着目する。

 

・掛け合わせて3になる二つの数(3と1、-3と-1)

・掛け合わせて-2になる二つの数(1と-2、-1と2)

 

を考える。

 

そして、たすきがけのように斜めに掛け算する。

 

すると、-1+6で5になる。これが3x^2+5x-2のxの係数「5」に等しいから、たすきがけ成立。

よって答えは、acx^2+(ad+bc)x+bd=(ax+b)(cx+d)に当てはめて

=(3x-1)(x+2)

 

これが一応因数分解における全ての分野です。

ただ、これの応用版やもっと複雑な因数分解もあるので、それの解説も添えて以後追記していきたいと思います。では!