「突然の報告になってすいません。
本当にお世話になりました…」
仕事始めの挨拶回りが
退職報告の行脚となっている、、
T君とは20年程の付き合いなので
私の驚きを抑える事は出来なかった。
肉体労働の限界を、、って言っても
まだ若い働き盛りの39歳だし…
なんて勝手な事を口にするのは
相手の心情を無視した失言だと
一瞬ブレーキを掛けたのに
僕はそのままを言ってしまった。
当人からは、最近かなり太ったせいで
腰への負担が大きくなったとか
仕事上のストレスが深くなり
ついつい飲み食いで満たしがちの
悪循環スタイルが止まらんのです、、
なんて話を聞いたけど。
仕事量に対しての賃金設定とか
個人的な売り上げに対しての評価
つまりは昨年末のボーナス額を見て
スッと覚悟が決まったらしいのだ。
上司や幹部にも交渉をしてみたが
今後も仕事を続ける為の
モチベーションとなり得る
返事には至らなかった、、らしい。
資材の高騰、高齢化による中年層への
負担増はどの業界でもアルアルだし
働き方改革で休日は増えたのに
給料は据え置き、ならまだしも
各手当がカットされてしまい
会社内では役員も代替わりして
昨年から退職者が増え始め
更に中間世代の仕事の負担は
増える一方なんだとか。
責任と義理や人情で判断は揺れ
生活と給料明細を眺めては
悩むばかりの日々が続いていた…
社会全体が低迷する中で
コロナ禍の煽りを受けて
やっと世間様と同様に
平常的な動きとなった矢先に
各業界全般における
資材高騰の影響とは
建築業も資材関係も含めて
どんな仕事でも立場でも
大変であるのは承知の助だけど、、
「お前も手遅れになる前に
早く次の手を打った方がいいかも」
なんて度々アドバイスを
なぜか受けるようになって
”ずっと悩んで迷っちょったですね…”
って話すT君の表情は意外と明るく
さっぱり前を向いていた。
20年続けた仕事に見切りを付ける
20年続けたからこそ見えた事がある
20年続けた結果なので未練なく、、
20年続けた人生にまだこれから
先があるなら、、なんて
思いを馳せて決めた事なら。
花束を渡す気持ちで見送ることしか
出来ないという僕の現実は
それはそれで寂しいけれども。
天下りに謙ってこその業界もあるし
慮って忖度してこその業者もいるし。
社会の上層、、までじゃなくても
会社の上部程度にはなぜか
まだまだ居座る構造が残っていて
イチ民間の零細企業なんて
市場に私情を挟んだ程度じゃ
屁にもならんのが実際だし。
実力なんて関係ないし
実績なんて何の自慢にもならんし。
賢く積み上げた利権を束ねて
堅く生きる術がないのなら
奴隷として文句も言わずに従い
貫き明るく朗らかに生きてこそ。
何が正しくて何が正解で
何を信じていようといまいと。
誰が美しかろうと
君が逞しかろうと
自己責任でつらつら過ごして
食う寝る起きるを繰り返す
地味な日々でも
生きてこそだねって
語りながら飲みましょう♪
T君のこれからに希望あれ!
乾杯♪
おつかれちゃん、
今まで本当にありがとう!
今まで色々と
お世話になりました。
本当に
お疲れちゃんでした。
新しい仕事でも頑張ってね♪