久々のイ・ビョンホンが

BSテレビから流れてきたので

こんなに悲しい話だとは思わず、

のんきに構えて観てみた。


1969年夏・・・

人類初の月面着陸成功で

世界が熱狂していた夏。
韓国では自由を追い求める大学生と、

悲しい過去を背負った少女が、

生涯一度だけの愛に出会った。


夏の物語は悲恋物語。

それも、ほんとに悲しい別れ。


世界中の若者たちが

自由を渇望していた時代。

韓国では独裁的政治体制のなか

誰もが自由を夢見ていた。


ソウルの大学に通うソギョンは

農村でボランティア活動をするため、

夏休みに仲間と田舎町に滞在する。

そこで図書館で働く美しい女性ジョンインと出逢う。

生涯一度だけの純粋さと情熱にあふれる

かけがえのない愛を知る。


けれど、政治に支配された時代の波は

二人の愛を容赦なく引き裂いた。


彼が通うソウルの大学に誘われて、

校内で待っている間に

学生運動の波に巻き込まれる。

赤狩り真っさ中に逮捕される2人。

ジョンインの父は北朝鮮関係らしい・・・


取り調べ室で知らないと

言うことでジョインを助けられると

信じたソギョンは、

知らない人だと言う。


それを聞いたその時の、

ジョインの見開いた瞳から

絶望の涙が溢れる。

この演技が素晴らしい。

目元涼やかな女優さんなんだけど、

大きく見開いた瞳は10倍くらいに

大きくなっていた。

なぜ知らないと言うのか、

考えがまとまらないような顔。

なぜ?という表情や

嘘でしょっていう表情とか

信じられない・・・・

そういったあらゆる感情が

一気に噴き出した表情。


そして、相手を思い、

相手の言うとおりに合わして

知らないというジョイン。


取り調べ室から出るとき、

思わず振り返り彼女を

なりふり構わず抱きしめる。


父に頼んで服役しているジョインを

助けるソギョン。

迎えに行き駅で・・・・

しかし・・・・

彼女は、そっと消えた。


お互いその後独身で過ごす。


話しの始まりは

放送作家をしている教え子が

初恋の相手を探すという企画を

持ってくることからはじまる。


時代背景や政治事情は

なんといっても恋愛事情に

大きくかかわってくるから、

本当に悲しい夏の物語だった。