十二代目市川團十郎の魂
350年の名跡を継ぐ (BS TBS’10年04月24日放送)
歌舞伎の名門・市川家に生まれ、
「市川團十郎」という歌舞伎界の大名跡を受け継いだ、
十二代目團十郎。
その肩にのしかかった「責任」という重圧。
華やかな襲名披露公演から、
早いもので四半世紀。
そして、初代團十郎誕生から
350年という節目の年でもある2010年。
初舞台、海老蔵襲名、團十郎襲名という、
これまでの人生の節目となる公演を行った、
歌舞伎座の建替え工事が始まります。
父・十一代目はもちろん、
明治の名優で「劇聖」と賞賛される九代目團十郎も、
役者人生の本拠地としていた桧舞台。
そして、明治・大正・昭和・平成にわたって、
数多の名優が芸を競い合ったのが歌舞伎座なのです。
その建て替え前、
最後の舞台を当代團十郎が、
家の芸「助六」で締めくくります。
このような華々しい裏側で、
壮絶な白血病との闘い。
抗ガン剤でつぶれた血管。
朝から晩まで一日中体に
薬を入れている状態だから、
そのつらさは、想像を絶する。
改めて、市川團十郎という
千両役者に拍手を贈ります。
あなたは、素晴らしい。
ほんとうに立派な方です。