洋服との運命の出会いって信じる
比較的革製品が好きなので、
そういった洋品を扱うお店が好きだ。
革製品は、必ず一点取り入れる。
それは、スカートだったり、
パンツや、ベストやジャケットだったり。
何年も同じような組み合わせで、
なにか新調しようと、お店に行った。
好みはハッキリしているので、
だいたい手にしても、
すでに持っているのと同じになる。
またくるねと店員に挨拶したら、
その後ろに、煌々とと輝く漆黒のジャケット。
襟がシルバーフォックスになっていて、
細身の丈の短い、欲しいと探していた形。
でも、その場所は高級品の置いてある所で、
その日は、後ろ髪引かれながら帰った。
でも、気になる。気になる。
手にとって、着てみたい。
ワンピースでも、パンツでも、スカートでも
何に合わせても、着回しのできそうなジャケット。
数日後、行ってしまった・・・・
手にしてみていたら、
店員が鏡の前に手招きする。
そして、魔法をかけられたのだ。
「このジャケットは、人気だけど、
袖が細身だから合う人がいなくて」
そういって、肩から着せかけてくれた。
すーっと腕が入っていった。
「これは、シンデレラのガラスの靴と同じで、
貴方のためにつくられた運命の服ですよ。
ご自分でそう思うでしょ」
すぐにでも買いたかったけど、
漆黒のゴブラン織りと思っていたのが、
毛皮だったので、元に戻した。
でも一度かけられた魔法は、決して
とけなくて、もう元には戻れない。
だって、私のガラスの靴だよ。
運命には誰も逆らえないから。(笑)
そして、今年の冬も、
出番を待って、微笑んでいる。