妻夫木聡・深津絵里主演の犯罪ドラマ。


深津絵里がモントリオール世界映画祭で最優秀女優賞を取ったことでも話題になりました。




親と見に行ったのですが、前半は性的描写の連発で気まずいことこの上なしw




という冗談はさておき、


ただのラブストーリーと思いきや、私としてはなかなか見応えのある作品でした。




現代の希薄していく人間関係の中で、


つながりを求める人々。


大事な人を見いだせない人々。


本当に大事な人を見失ってしまっている人々。


主演の二人のみならず、他のキャストも相まって、絶妙に今の社会を表現している。


出会い系サイトも、この映画ではその一つの象徴として使われているように思う。




唯一残念に思うところは、


清水祐一(妻夫木聡)と光代(深津絵里)が惹かれあっていく描写。


未読なものの小説版では、そのあたりはもっと丁寧に描かれているのではないかと思う。




やはり映画だと映像という表現力を得る代わりに、


そういった細かい描写が失われてしまうのはやむをえないのだろう。


話は変わるが、そういった意味では、


12月公開の『ノルウェイの森』(村上春樹著)はどのように映像化されるのだろうか。


楽しみです。

悪人 シナリオ版 (朝日文庫)/吉田 修一

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今夏、木村多江主演で映画化された本書。


「今年で四十六歳になったが、髪が薄くなった以外、まだ衰えはない。そんな自分を巡って、どれほどの死闘が繰り広げられたか。清子はまたしても笑いを浮かべた。人が死んだり、怪我したり。これほど男に焦がれられた女が世界に何人いるだろう。」


ここのフレーズだけを読むと、「ポルノグラフィティック」な展開が頭に浮かぶが、

(実際そういった記述も多々あるが)本書を読んで感じるところは、そういったところにはない。


孤島に辿り着いた数十人たちが、何もない無人島で、

色々なバランスを保ちながら、時にはバランスを崩しながら、

曲がりなりにも社会というものを作り上げていく。


うまくは言えないが、

今、私たちが依存している社会・文明というものが、

いかに不安定なバランスの元、成り立っているのか、ということをなんとなく感じてしまう一冊でした。

東京島 (新潮文庫)/桐野 夏生
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