“能力”が売り買いされる世界の裏側。
国家も監視局も手を出せない、
異能犯罪の温床――それが「黒い市場」。

初の現地潜入任務に挑むカイとアイ。
少年が“能力の価値”を知るとき、
新たな覚悟が生まれる。

構図：スラム街の奥に隠された地下への階段。
看板には「C-Market（能力取引会）」と刻まれている。
セリフ：
アイ「ここが能力売買の拠点、通称“黒い市場”」
カイ「地下組織って感じだな……胸くそ悪ぃ」

構図：地下フロア。露店のように並ぶテーブルには「能力チップ」が陳列。
客たちは金や仮想通貨で能力を“購入”している。
セリフ：
売人「新作出たばかりだよ、視覚分裂系。おすすめ」
客「今週のレート、また上がってるな」
カイ（モノローグ）《能力が……“物”みたいに……》

構図：奥の闇医者ブース。チューブに繋がれた少年がベッドに。
目は虚ろ、口にはマスク。
セリフ：
カイ「……これは、まさか」
アイ「うん。“生きた能力者”から能力を抜き取ってるのよ」

構図：カイが怒りを押し殺しながら、拳を握る。
セリフ：
カイ「奪うって……俺の力も、あいつらのやり方も……地獄みたいだ」
アイ「……でもあなたは、誰かを守るために使ってる」

構図：売人がアイに気づき、不審げに睨む。
セリフ：
売人「おい、あんた……客か？それとも……見張りか？」
アイ「しまった……顔、バレてる……！」

構図：警報が鳴り、売人たちが武器や異能で襲ってくる。
カイがアイをかばうように前に出る。
セリフ：
カイ「ここは……おれがやる。模写、開始だ」

構図：カイが能力を模写し、衝撃波で数人を吹き飛ばす。
アイも冷静にサポート。
セリフ：
アイ「制限時間、あと1分半！」
カイ「十分だ……こっからが本番だろ！」

構図：カイとアイが背中合わせに立ち、敵を一掃した跡の市場を見下ろす。
燃えた能力チップが床に転がる。
セリフ（モノローグ）：
《力は、奪うためじゃない。守るためにある。
……この手で証明するしかねぇ》

「力は価値だ」――そう語る者たちがいる。
だがカイは知った。
力を“道具”として奪われた者たちの、
記憶と痛みが、心に刺さって離れない。

少年の瞳に宿るのは、怒りでも、悲しみでもなく──
**“決意”**だった。

【番外編 ABILITY HUNT 第6話】 黒い市場

【番外編　ABILITY HUNT　第6話】黒い市場