ご近所にはネコ好きの方が多く、自宅前の河川敷にいるノラ猫は

いずれかの家でお世話になっている。

いわいる地域ネコだ。

 

我が家も縁の合ったノラ猫を数頭、お世話していた時期があった。

内ネコが7-8匹いるのが常であったため、外猫を家に入れてやるのは難しく、

玄関ポーチに二階建ての簡易温室を2つ置き

冬などは毛布やペットヒーターを入れたりして越冬させていた。

 

ネコは相性が合わないと、死闘かと思うほど大喧嘩したり

大人しい猫だとストレスで病気になったりもする。

とくに外猫はせまい家に閉じ込められるのをいやがる。

自由人ならぬ自由猫だから。

 

この歴代の猫たちの一匹一匹にもドラマがあるのであるが

今日はネコ好きたちの連絡網が生かされたお話をしたいと思う。

 

その外猫にグレちゃんという三毛猫がいた。

 

150526_1635~01.jpg

 

グレちゃんは、ノラ猫チャブーさんが連れてきた可愛いメス猫であった。

それから15年間、グレちゃんは我が家のポーチで平穏に暮らしていたが

やがて天寿を全うする時がやって来た。

 

元気がなくなり、食事をしなくなり、寝たきりになることが多かった。

病院に連れて行ったが、すべはなく、先生から

できるだけ苦しい思いをさせないよう脱水に気を付けなさいと

砂糖水を定期的にスポイトで与えるご指示を頂いた。

 

グレちゃんは、いつもの自分の寝床で横たわっている。

固く目をつぶったその顔を持ち上げ、器官につまらないように

そうっとスポイトで口をうるおしてやる。

 

できるだけ、そばにいてやりたい。

でも、仕事が入ってしまった。

 

小一時間ほど家を空け、帰ってすぐにグレの元に行くと

寝床がもぬけの殻になっていた。

 

あちこち探し回るが見つからない。

猫は死期をさとると姿を隠すと言うが、グレにそんな移動する体力が

残っているとは思わなかった。

油断したことを、激しく悔やんだ。

 

どこにいってしまったのだろう。

 

その時、玄関のベルが鳴った。

開けてみると、顔見知りの配達員さんがいた。

この方もネコ好きの方で、2匹飼っておられることをよく話されていた。

 

配達員さんはおもむろにスマホの画面を私に見せた。

 

「これ、お宅のネコさんですよね?」

「ぐ、グレちゃん? えっ、なんで」

 

話を聞くと、河川敷でよ横たわっていたグレが

カラスに突かれそうになっていたところを保護してくれた方がいらっしゃるという。

 

初めは高齢男性が見かねて助けてくださり、

その後、保護活動をしてらっしゃるカレー屋さんに預けられ

カレー屋さんが病院に連れて行って下さり、保護していることを

宅配屋さんに伝え、宅配屋さんが「もしや」と我が家に知らせてくださった

 

ということであった。

 

私はお礼もそこそこに、まずはカレー屋さんにグレを引き取りに行った。

カレー屋さんのお父様が、わざわざご自宅前の道路まで出て

わたしを出迎えて下さり、グレの元へ招き入れてくださった。

 

その娘さんであるカレー屋さんから事情を聞き

改めてお礼を述べると、その日はともかくグレを連れ帰り

我が家で最期を看取ってやることができた。

 

翌日、動物霊園でグレの葬儀を済ませてから

カレー屋さんに菓子折りを携えて、改めてお礼に伺った。

カレー屋さんもご縁があったことを喜んでくださった。

 

 

それから、半年ほどして、カレー屋さんとのご縁が再び結ばれた。

「子ネコを四匹保護したんだけど、グレちゃんの代わりに1匹どうかな」

 

と我が家に子猫を見せに来られた。

その日は、父の亡くなったすぐ翌月の月命日で、しかも私の誕生日であった。

 

「これは亡くなった父からの私へのプレゼント?」

そう思った私は4匹ともお世話することにして、その場で

その子たちを引き取った。

 

IMG_20171101_083309308.jpg

 

 

それがレオ・モモ・ソラ・リンの4匹である。

 

この子たちも今年4歳になった。

すくすく成長中である。