『まれにみるバカ女』(宝島社)が発売されたのが2003年1月1日。メデタイ日にメデタイ女の本が刊行されたが読む気は起らなかった。賢者の書籍なら金を出す価値はあるが、愚者を羅列した本を読んでなんの御利益があろう。あれからもう二十年が経つ。10年ひと昔というほどだから、バカ女の系譜も変わったろうが、多くは存命現役である。ひとり中島梓(別名栗本薫)だけが2009年5月に56歳で他界している。江戸川乱歩賞・吉川英治文学新人賞などに輝いた彼女が、バカに選任されたのは以下の理由か？

北朝鮮当局が日本人拉致を認めた2日後の2002年9月19日、中島梓は自身の公式ホームページに次のような発言を載せている。

◎「蓮池さんは『拉致された人』としてのたぐいまれな悲劇的な運命を20年以上も生きてくることができたわけで、それは『平凡に大学を卒業して平凡に就職して平凡なサラリーマン』になることにくらべてそんなに悲劇的なことでしょうか」

◎「拉致された人々は、その場で銃殺されたのではない限り、たとえ数年でも生きていたのであるかぎり『人生のすべてを奪い取られた』わけではない」

◎「凡庸なありきたりの人生のコースを歩むよりも多くの者を得ることができたはずだと思う」

　　　　　　　　

「バカ」というのは主観的なものだから、自分がそう思えばそれでいい。他人に共感することがあっても、同調することはない。『まれにみるバカ』に選人された女性のなかで自分が「唯一これは！」という人物は遥洋子である。理由はごく単純で、彼女は自身の生年月日を非公開にしていること。その点だけとっても自分的に彼女をおバカと讃えたい。女性が自分の年齢をいわない理由にある程度の理解はするが、非公開にしたところで、同級生の存在を消すことはできない。なのになぜ非公開にする？

そんなのバレて当然だろう。自分は初対面の女性と会話をする際、あれこれ聞かないよう配慮する。その理由はいいたくないこともあろうし、いいたいことは自発的にいうだろうから、相手のプライベートについては、慌てる乞食のごとくガツガツするのはオトコとしてすべきでないと思っている。洞察力を磨けばあえて聞かずとも分かることもあり、それをオトコの能力と思っている。「初体験はいつ？」とか「経験人数は？」などを女性に問う者は、非礼を超えた下衆男の浅ましさでしかなかろう。

聞かれたこと＝言いたいことではないし、自発的にいうまで待っていればよい。そういえば、将棋仲間で大学院生のＴクンがこんなことを問うてきた。「メル友募集掲示板にアップされていた女性の年齢がなかったので、それを聞こうとメールをしたところ、『年齢で選ぶ奴とはやり取りしない』といってきたんです。どう思いますか？」「で、君はどうしたんだ？」「スルーして返しませんでした」「その女をどう思った？」「こんなのもいるのかなと」「おれならこれくらいは返しておくけどな」

「小中学生かわからない。50のババァかもわからない。年齢もいわないで何がしたいんだ？バカじゃないんか！」「スゴイですね」「当たり前だ。年齢が分からずにメル友はなかろ？」「確かに…」「ネットの女は男からわんさかメールがくるので、自分が相手を選べばいいと思っている。相手から選ばれるという発想もないし、男は自分のいいなりと思ってるのよ。非モテ男からわんさか返信がくるから、モテると勘違いしてる」「ぼくも非モテ男なんですね」「どっちもリアルで縁がないんだな」

　　　　　　

「彼女というよりメル友くらいいてもいいかなと…」「いいんじゃないか。ただし、年齢もいわない女は選びようがない。年齢は住居がどこ、顔がどう以前の問題だ。だから、あれくらい言って分からせるしかない。キツイ言い方じゃなくて、親切心だよ」「でも、そういう発想はなかったです」「面倒だからな。黙って去ればいいし」「はい」「その点、オレは教育者なのよ」「なるほど…」というような会話だった。これだけいって分かるような女なら、最初に年齢くらい書くだろ。マナーとして。

ネットの女王さまは、自分の言いなりになる男以外は吐き捨てる。それほどたくさんの応募がくるから傲慢になる。もっとも、リアルでは声もかけてもらえないそんな女がネット女王となってつけあがっている。ちょっとでも嫌な言葉をいわれたら簡単に切る。それくらいにワガママし放題だから掲示板で応募した男とは続かない。出会いの少ないリアルだったら、少々は我慢して続けないと、この出会いを終えたら次はいつなのか分かったもんじゃないとなるが、ネットでは湯水のごとく男は溢れる。

チャットや掲示板の男女比を見ても女1に対して男が50くらいだから、そりゃあもうモテると勘違いするだろう。ネットの非モテ男にとっては必至の奪い合いとなる。自分のメールフォルダにこういう女が残っている。もう数年前だが、掲示板に「いじめられてます。相談に乗って下さい」とあって、こちらも年齢は未記入だった。先入観なしでも、話をすれば素性は読めるという自信もあって、話を聞いてみることにしたが、最初に「いじめは学校か？」と問うと会社という。年齢は40代と申告してきた。

自分も適当に40代と合わせておく。彼女は太っているからいじめられるという。いじめの解決は本人が強い気持ちで抗うか、無視するか、どちらも気持ちの持ち方が大事で本人にどう分からせるか？いじめを真に受けないで聞き流せる態度で応じれば、いじめる側も少しづつ緩和するようになろう。いじめは相手が気にするから面白いので、気にしないならいじめ甲斐がない。それがいじめの最善防止策だが、一朝一夕というわけには行かないもの。そういう思いをもって彼女にはこんな風に諭してみた。

自分：「急にはできないだろうけど、森三中の彼女たちくらい堂々とできたらいいけどね。『デブで何が悪いの？文句あるならいってみなさいよ！』という感じなら、誰も何もいえない。彼女たちは全員デブだけど、あんな感じだといじめることもできない。そういう意味で彼女たちは素敵な女性だよ。いじめられない一つのサンプルと思ってる」。ところが、次の返信に驚く。

女：「ひどいこといいますね。それってデブ差別です。今から吐きます」

自分：「吐きます？どう受け取ったか知らんが、森三中たちが素敵だといっただけ。なのにオレを責めるのは、読解力がないんじゃないか？」

女：「あなたがそういってるんですよ」

自分：「デブはブサイクでミジメと思ってるのはあなたの方で、オレはそんなこといってないし、思ってもないよ」

女：「いい加減にしてもらえますか」

自分：「はぁ…？勝手にいってろ。もう何もいわん」(話の通じる相手ではないと察知、返信を止める)

女：「私は20キロ痩せました。なのにそんなこといえますね」

自分：（無視）

女：「だいたい見た事もないのにブサイクで惨めってどういう事ですか？」

自分：（無視）

女：「いいはなって逃げるんですか」
自分：（無視）

女：「あなたに相談するんじゃなかった」

　　　

無視を決めたが女性は勝手に怒っている。何を返しても火に油を注ぐと判断した。女の相談というのは解決を求めるのではなく、相手からの癒し言葉と愚痴の連呼をしたいだけだが、つい男は根本解決に腕まくりをするところがある。もっと、癒しや同情を発信するくらいなら最初から相談になど乗らない。別の誰かがその役を負えばいいことだ。どうもこの女性は精神障害があるようだ。以前は躁うつ病といったが「双極性障害」「統合失調症」の可能性あり。でなければ、こうまで短絡的にならない。

女は細身でなければならないと誰が決めたわけでもないが、ストレス食いの結果デブになる女性は多い。そうなったことで、現状を受け入れるか、ダイエットに勤しむかは、当該者に委ねられてる。バロック時代の絵画を見てもふくよかで豊満な女性こそが女性らしかったようだが、日本に話を戻せば、江戸から大正頃までの日本では、柳腰とか、美人薄命とか、何となく痩せている女性が美しいと言う印象だったが、戦争中は、産めよ増やせよで腰のしっかりした、京塚昌子風な健康美女性が好まれた。

ツイッギーやオードリーのような激やせ女性が美しいのは、場所をとらないからか？しかし、男もガラ系でしかも女性も鶏ガラなら、上に乗っかった時に板の間の感じだろう。骨が刺さる状態だから肉布団がいいという男もいる。最近、まつ毛のＣＭで渡辺直美が実にいい味を出しているように思う。なぜにあれ程説得力があるのかを自分なりに考えてみたが、どっしり感、安定感のなせるワザか？彼女の目力(ぢから)か？彼女の起用は正解だったのでは？まさにデブが個性である代表の渡辺直美である。

Stupid woman