先日 車窓から この桜を見掛けた
思わず 車を路肩に停めて
満開の桜の下へ 引き込まれる様に 導かれた
余りの綺麗と儚さに
思わず 見惚れてしまった
既に 懐かしい記憶の一部となりつつあるけれど
桜色ではない この白桜を 見掛けると
あの時の記憶が 鮮明に想い出される
あの日
白桜の吹雪の中
高校教師の背中に さよなら した
忘れろよ と言った あの声
さよなら と言った この声
忘れたくても
容易く忘れることなど 出来ない
まだ幼く
恋愛のバイブルを知らなかった私に
丁寧に ひとつひとつを与えてくれた人だった
もう……
愛する人ではなくなって しまったけれど
確かに
私が愛し 私を愛してくれた人 だった
気高い この白のように
私の心も 早く真白に なりたい
そして
先生だけを想い 先生だけを愛していきたい
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