日本のアパレル市場について
2018年10月 前年比1、1%増加 9兆7500億円
バブルの頃の国内市場は15兆円今や3分の2
服は、売れているところでは売れている。
中価格帯市場の減少→ECの成長・二次流通
変化を機会と捉える中に、昔ながらのアパレル企業が少ない
売り手と買い手の情報格差
売り手だけが情報を持っていて、それを売る
国内アパレル業界は、業界として後れを取っているのだ
世界での事業展開ができていない
ビジネスモデルは進化しておらず、あたりハズレを繰り返し供給過剰
しかし、日本のアパレル業界に未来は「ある」
①人間が服を着なくなることはない
生活必需品であり、自己表現の手段でもある
地球上の人口が増え、経済成長が続く限り、市場は必然的に生まれ成長する
世界的に見たらアパレルは普遍的な商材であり、成長産業である
②日本の文化的な成熟度
日本という文化的に豊かで成熟した背景を持つ日本人は強みを持つ
③テクノロジーがチャンスをもたらす
ブランドを立ち上げやすい
ここでは、少しでも多く国内アパレル企業が変化の波を「機会」と捉え
再成長を遂げる糧となるため
グローバルでは、2017年から2022年まで
約5%の年平均成長率(5年間で28%成長!)
南米・中東・アフリカ・アジアでは人口増加・新興国による
中間層の拡大・富裕層の拡大
アパレル市場規模を見ると、アメリカは32兆円、中国は28兆円 約4割
①アメリカでは富裕層が拡大している
ラグジュアリー市場・アクセシブルラグジュアリー市場の成長
→HENRY層(高収入だが資産が少なく、富裕層ではないという世代)
②中国は中間層の所得増加
高くてもいいものを買って長く使うトレンド
日本でのアパレル市場
①フォロアー層の減少
自らの価値観が希薄で世の中のトレンドに流されやすい
②少子高齢化
日本の世帯あたりのアパレル支出の減少、国内市場の減少は下げ止まるのか?
ファッションは若い世代が一定の活力になる
現在のアパレル業界は、インバウンド需要と世代交代の端境による
一時的な安定期であり、決してこの状態が続くわけではない
③単価の下落
⑴リユース市場の拡大
⑵ECサイトの普及
⑶カジュアル化の進展
⑷消費欲が落ちる支出の減少
結局の所、バブルのピーク時にあった市場は約3分の2となる(9兆円)
乗り切るには
「インバウンド特需」「越境ECの拡大」
「インバウンド、越境EC、海外出店」
①2割の「能動的な消費者」はインフルエンサー化
②8割の「受動的な消費者」はレコメンデーション機能の影響力が増す
③お気に入りのブランドを直販サイトで購入する「DtoC」ビジネスモデルが増える
④「売り手」と「買い手」の情報格差がなくなり業界人の地位と仕事が奪われる
⑤無駄な在庫を抱えるリスクがなくなる
⑥ただ着るだけの衣服から進化する
⑦服作りのデザインプロセスもデジタル化する
⑧人がいない工場や店舗が出現する
⑨マスカスタマイゼーションで受注せいさんと大量生産の両立が可能になる
⑩人事業務の高度化と効率化が実現する
AIでできること
「画像解析」「音声解析」「テキスト解析」「データ解析」
→「好き嫌い」「誰に勧められたか」は人にしかできない!
→データ解析はMDにお任せ
AIの普及により、
①「独自性のある創造」を
「価値(衣服だけでなくサービスも含む)」とするグループ
②「①が生み出した独自性やトレンドを低価格でマス層に無駄なく届けること」
を価値とするグループ
「独自性」の追求や、新しい価値の創出が必要!
2030年には、EC消化率は30%になるだろう
→リアルとECは完全に融合し、対立概念ではなくなる
業界構造が大きく変わる
1・消費者の価値観がさらに多様化する
①ライフスタイル追求層
→好きなアクティビティや趣味嗜好がはっきりしており生活の中心になっている
②消費志向
→高収入で都市部に住み、快適なアーバンライフとバケーションが生活の中心
③伝統重視・保守層
→年齢層高め、地位や所得階級に合わせた服装やオケージョンに対しては意識が高い
④人間・家族重視層
→中産階級に多い層、コト消費にお金をかける
同調圧力に敏感なセグメント
⑤社会志向
→地域や国の社会問題・環境に対して関心が高く、倫理的な価値観が最も強い人
社会・環境問題に取り組むブランドに対しては熱狂的な支持・消費を行う
⑥先進・革新志向
→テクノロジーやイノベーションにオープン。先進性や革新性に重きを置いた価値観
⑦快楽主義
後先考えず自分の好きな物を純粋に楽しむ、熱狂することをモットーとした人
⑧倹約志向
→すべての消費行動において価値観よりも金銭を優先する、ケチ
どのセグメントにおいてもどのような価値を提供していくのかが重要となる
価値が曖昧なプレーヤーは消費者から見向きもされなくなる
2。テクノロジーの進化
プレーヤーの価値軸の転換を促進する
3、プラットフォーマーの強大化
業態軸から価値軸への転換が進む
プラットフォーマーのビジネスモデルは、プラットフォームに参加する消費者や企業が恩恵をうけられる仕組みを用意し
参加者を増やすことで経済圏を作り出していく
既存のプレーヤーはプラットフォーマーとの棲み分けと協業のあり方を模索することになる
どんな「価値」を提供するのか?がとても重要
①利便性(アマゾン、コンビニ)
②ロングテール(アマゾン、楽天)
③プライスリーダー(低価格追求)
④カテゴリーキラー(嗜好性、専門性が高い特定の領域に特化し独自の価値を創出する)
⑤ライフスタイル提案(消費者に新しい価値観やコンテンツの提案)
⑥エンターテイナー(消費者を楽しませるリアル空間での非日常体験を提供価値とする)
⑦ローカル対応(都心と地方の差が広がり、地方独自のニーズや立地に立脚)
結局、どうする2030年のアパレル市場
日本が新しい価値を創造するのであれば、トレンドやマスボリュームよりもアクセシブルラグジュアリーに注目すべき
①日本らしさの付与②独自性の追求③ビジネス基盤の確立
「トレンド」や「マスボリューム」にも勝機はあるが、そのためにはテクノロジーを効果的に活用した、
独自性のあるビジネスモデルを実現することが条件である
日本では、衣料品の輸出が少ないのにもかかわらず、生地の輸出量が多い
→この生産背景に注目し、独自の新しいブランド価値を作り、海外展開を図る
外国人が集まる街を「ファッション特区」とし、ファッションの業界で働く優秀な外国人が集いやすい環境を整える
→日本のアパレル産業事態に活気が生まれる!