長い夜の終わり
母の部屋から自分の部屋に戻り、深夜1時過ぎ。
これからのことを考えると、気分がどんどん重くなっていった。
派遣で仕事をしているが、介護と両立はできるのだろうか。
自分も体調が思わしくない中で、介護などできるのだろうか。
治療費は一体どのくらいかかるのか。そもそも、母はどのくらい悪いのか。
打ち消しても打ち消しても、頭の中には、黒く重い気持ちが、どんどん層になって積み重なっていく。
身体も頭も、ものすごく疲れているのだけれど、どうしても眠る気になれない。
うとうとして、心配になり目が覚める。あれから30分しか経っていない。
たった30分しか経っていないことに驚き、もう一度確認しても、当たり前だが同じ時間だ。
この夜何度、時間を確認したことだろう。
ため息とともに起き上がり、母の様子を見に行く。
寝ているのかどうか不明だが、ベッドに横になっていて、異常はなさそうだ。
母も疲れているだろうが、きっと不安もあり、眠れないであろう。
ただ、私がそばにいると、安心する反面、疲れもしそうなので、自分の部屋に引き上げた。
2時間おきに母の様子を見に行き、その間にうとうとして、その都度驚いて飛び起きて時計を見た。
母がトイレに出てきたので、そっと様子を見ると、大丈夫だから寝て、と苦笑いされた。
眠れるはずがない。
夜が明けるまで、そんなことを繰り返した。夜が永遠に続くように、とても長く感じた。
母の部屋のカーテンの向こうにほのかに明るくなった。
夜が明け、朝日が差し込んできた時の、泣きたくなるような安堵感を、この先私は忘れないんだろうな。
