日本と南欧(イタリア・スペイン)の「仮面」の秘密(比較文化)


​仮面には「自分とは違う別の存在に変身する」という共通点がありますが、日本と南欧ではその目的や使われ方が大きく異なります。

「日本の仮面:神様や精霊を身体に呼び寄せるためのもの」

・​神様や精霊とひとつになる

能舞台で使う「能面」や、お祭りの「神楽面(かぐらめん)」などは、神様や精霊を自分の体に取り憑かせるための「目印(乗り物)」です。

お面を打つ(かぶる)ことで、演者自身の個性を消し、神や精霊そのものへとなり切ります。

・​お祈りとコミュニティの祈りのため

「五穀豊穣(お米がたくさんとれますように)」や「悪霊退散(悪い病気や災いが飛んでいきませんように)」など、

地域みんなで神様に祈り、共同体の絆を守るための儀式的な道具です。

・​とても大切に扱う

お面そのものに神聖な霊力が宿ると考えられているため、

普段は大切に保管され、日常から切り離された特別な儀式やお祭りのときだけ使われます。

「​南欧の仮面:身分や立場を隠して自由に楽しむためのもの」

・​誰もが「平等」になれる

イタリアのヴェネツィアなどで使われる仮面は、自分の「顔(正体)」を隠すための道具です。

仮面をかぶれば、身分の高い貴族も貧しい庶民も関係なくなり、お互いに誰だか分からなくなります。

・​ストレス発散と自由のため

厳しい階級社会やキリスト教的な倫理観から一時的に解放され、羽目を外したり、

お互いの立場を気にせず会話を楽しんだりして、日常のうっぷんを晴らすために使われました。

・​みんなを楽しませる娯楽

即興劇(コメディ・デラルテ)などの演劇で、典型的なキャラクター(欲張りな老人や賢い召使いなど)を演じて観客を笑わせたり、

社会を風刺して楽しむためのエンタメツールとしても定着しました。

​「まとめ」

​日本の仮面は「神様や精霊に近づき、祈りを捧げる(聖なる役割)」ために使われ、

南欧の仮面は「自分の正体を隠し、人間同士で自由に楽しむ(日常からの解放)」ために使われてきました。

「​あとがき」

​SNSやマスクで素顔を隠しがちな現代の令和日本において、仮面文化は大きなヒントをくれます。

日本の仮面は「自分を超えた大切なものとつながる心」を教え、

西洋(南欧)の仮面は「周りの目を気にせず自分らしく自由に生きる大切さ」を伝えています。

仮面は、私たちが本当の自分を見つけるための鏡のようなもの。

ところで欧州人は見えない仮面を付けている意識があるようです。


大抵はひとつの仮面ですがフランス人などは数面の仮面を切り替えているという話を本人から直接に聞いたことがあります。

そういう意味では本音という仮面を持つ日本人との共通点もあるのかも?

現代のマスク社会が違和感が薄いのも内なる仮面文化に由来するのかな?

「ごめんなさい」の由来も

仮面がない→お面がない→お面なさい→ごめんなさい

というふうに音が転じてできたという説もあり.......ません。

では〜


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