なんとか初ライブを乗り切り
課題はいろいろあるものの
自分の居場所が見つかったような安心感を得て
マネキンや商品什器を扱う会社で仕事をさせて貰いながら
東京生活に馴染みだす。
以前はよく新幹線で九州から東京へ
ライブを見に行ってたのだから、
東京での生活は自分みたいなロックオタクからしたらまさに天国で
西新宿へは足しげく通い、ライブもいっぱい見に行った。
ある日、91年かな。。
大晦日に東京ドームであったイベントを見に行った。
お目当ては THUNDER と
この年 Black Album を出し更なる高見に昇った大トリの METALLICA 。
ドームに向かう電車内のメタラーTシャツをチェックしていると突然、
背後から声を掛けられる。
その嬉しそうな声の彼はいつぞやの、
ADA TAPE を聴き、「セトみたいに歌いたい!」
などと言ってくれていた彼だった。
元気? なんて友達の様に会話しながら
そばにいた彼のツレにすごく嬉しそうに
俺の事を紹介がてらマクシ立てる。
「凄い声してて、歌が上手くて、Coat of Arms って結構有名なバンドに加入してて、、」
彼が何故 Coat of Arms 加入を知ってるんだろ?
あ、 Burrn! とかにも載せてたんだっけ、、
なんて事を考えてたら、その彼のツレが、
二歩ぐらい前進してから、こっちに向かって
「あ"? 日本のバンド~??」
「ケっ!」
「お前らどうせ、カモンベイベー今すぐに!とか言うんだろ? あ"?」
と突然ゴキゲン悪そうにマクシ立てる。
想定外な初対面の会話に戸惑っている自分に、
「あ"? お前らとメタリカどっちがかっこいいんだよ!?」
と付け加えてくる。
友人の知り合いだから、
取り敢えずでもいいから友好的な物を
無意識に、そして当然の様に期待してしまっていたのだが、想定外。
結局、名前すら聞けずじまいの彼のツレだったけど、
俺が憶測でその言い分を要約すると、
所謂ジャパメタを聴いてみたけど彼の好みには合わないので
今後出てくる新しい世代のバンドも含め、日本のバンドは
すべてイケてないとする。
日本のバンドの歌詞は、まず間違いなく
『カモンベイベー』もしくはその類語で、
『カモンベイベー』そのものも含めもってのほかである。
がしかし、もしメタリカクラスになれるような事があれば、
その時は挨拶くらいはちゃんとしてやらない事もない。
と言う事のようだ。
植え付けられた白人至上主義に加え
強い選民意識まで持っているようなので
日本人では無く、どこかの国の VIP だったのだろうか。
いつの日か彼や彼の様な VIP に認めて貰うべく
精進して行こうと強く誓わなかった91年の大晦日は、
ほんの少し暖かかった。
lml[I_I]lml
