「アリタリア-イタリア航空787便ミラノ行き~」
搭乗開始のアナウンスがロビーに響きわたった。
先ず始めにマニフィカクラス、続いてクラシカプラスの列が動き出す。
久美はその数十名の最後尾に並び、機内へ続く左側の通路を進んだ。
いつもとは違う光景が目の前に広がる。
久美は搭乗券を確認すると16–Hにバッグを置いた。
「アイル・シート、プリーズ!(Aisle Seat Please !)」
久美は海外へ行く時は必ずそう言って通路側の席をとる。
国内線だと飛行時間も短いので優先は窓側だが、
鶏小屋で一列に並ぶブロイラーのように、
長時間座り続ける海外旅行では、気兼ねなく出入りできる通路側にする。
一人の時はなおさらだ。
今回ももちろん通路側の席を予約した。
クラシカプラスは限定24席の贅沢キャビンだ。
普通、エコノミークラスだと3-4-3と10席が並び、前の座席との空間が狭いが、
2-4-2と1列が8席、しかも前後の空間がかなり広い。
この席なら12時間半のフライトも苦にならないかもしれな い。
久美は腰を下ろし、その心地よさを体感した。
シートはかなりリクライニングできる。
「いいね~」
久美はご機嫌につぶやくと、回りの目も気にせずデジカメのシャッターを押した。
・・・実際のところ旦那様への良い口実ができたと女子会計画に盛り上がっているのですが