こんにちは。

カフェレアール・特派員コーナー・フィナーレ週間にお邪魔しました

特派員12期生・たなかあさこです。


この日、お話ししたのは作曲家『福田和禾子さん』です。


福田さんの代表作は『北風小僧の寒太郎』

国民的愛唱歌ですから皆さん、ご存知ですよね。


福田さんは1000曲を超える楽曲を手掛けましたが、そのほとんどが


『おかあさんといっしょ』





『みんなのうた』





『いない、いない、ばぁ』






といった、子ども向けの番組に使われていました。

今度、NHKの子供向けの番組を見るときは、作曲者のお名前に注目して下さい。

きっと

『福田和禾子さん』

を見つけると思います。


福田和禾子さんは、1941年生まれ。

東京芸術大学・音楽学部・作曲科を卒業ののち、子どもの音楽を手掛けるようになり、当時から新しい感性の名曲を次々と生み出していきました。

曲の手直しにも気軽に応じて下さり、

40年というキャリアを持つ大ベテランでありながら、

おごったところが全くなく、

誰からも慕われていたそうです。


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さて、平成2010月の事です。


『おかあさんといっしょ・ファミリーコンサート』

の音楽収録のため、福田さんはその日、NHKのスタジオにいました。


録音もほぼ終わり、あとは仕上げを残すのみとなった、

休憩の時。


福田さんはスタジオの外の廊下で

声を上げる事もなく、


静かに

すーと

お倒れになりました。

回りにいた方が、すぐに駆けつけ病院に運びましたが、

それきり、

意識が戻る事はありませんでした。


享年66歳…。

あまりにも早すぎる、

あまりにも突然すぎる

まるで、静かな眠りにつくような『最期』でした。


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その一年後です。


こんなアルバムが発売になりました。


NHKおかあさんといっしょ メモリアルアルバム ~北風小僧の寒太郎/バナナのおやこ/TVサントラ

歴代のうたのおにいさんやおねえさん、


懐かしいキャラクターの

みどちゃんや

レッシーくん


このライナーノートの最後に、こんな文章がのっていました。

*:..o○☆゚・:,*:..o○☆ 

「このアルバムは『おかあさんといっしょ』番組50周年を記念してリリースされたCDです。
と、同時にこれは
平成20年の秋にこの世を去った
作曲家・福田和禾子さんの作品集でもあります
もしかしたら、この文章を読むまで、その事に気付かなかったかもしれませんねぇ。
そう、あの歌も、この歌も、実は彼女の作品なのです。
(中略)
時とともに、歌の作者の名前もしだいに忘れられていくでしょう。
でも、きっといくつかの歌が
時代を超え、
母から子に、そのまた子どもたちへと歌い継がれていくことでしょう。
それが、福田さんのひそかな夢。
そして彼女の人と作品を愛した僕たちの、何よりの願いなのです」

*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆


『北風小僧の寒太郎』を始め、多くの楽曲で福田さんとコンビを組んだ

作詞家、井出隆夫さん

からの追悼文でした。

福田さんは生前、こうおっしゃていたそうです。

「私がいなくなっても、誰が作ったのか分からなくなっても、歌が残ってくれたら、それが本望よね」
……と。

そして、3年という月日が流れました。

町を歩いてみれば分かります。
あっちの幼稚園、こっちの小学校、
今でも子どもたちは福田さんの歌を大きな声で歌っています。

『名前は消えても…』
それが福田さんの願いでしたが、
子どもの世界を美しく彩っている、これら多くの曲を聞くにつれ

『福田和禾子』

という名前の天才作曲家がいたという事実も残って欲しい。

それが

彼女の曲で育ち、

彼女の曲で子どもを育てた

私の……

……心からの願いです。