私はずっと、「夫婦」というものに理想を描いていました。


朝は、笑顔で「おはよう」と言いながら一緒に朝食を食べる。

夜は、仕事を終えて子どもと一緒にお風呂に入り、

夕飯を家族みんなで囲んで、

一日の終わりに「おやすみ」と言いながら眠りにつく。


そんな当たり前のような日常を、私はずっと“夫婦の幸せ”だと思っていました。




でも、現実はまるで違いました。


朝、妻は子どもに朝食を与えながら、いつもどこかイライラしています。

その空気に居づらくなって、私は先に食べるか、何も食べずに家を出てしまうことも多い。


仕事を終えて家に帰ると、子どもはすでに寝ている。

妻も寝室で寝ているか、ベッドで在宅ワークをしていて、

「おかえり」と言葉を交わすことすらない夜もあります。




「夫婦とは何か?」

「家族って、どういう形なんだろう?」

そんな問いが、最近は頭の中でずっとぐるぐると回っています。


理想を描けば描くほど、現実との距離が浮き彫りになる。