一言で言うならば、徹底討論なんかしてないじゃんにつきます。
拘束していた人が拘束しない病院に行ったら、こんなに良くなりましたと言うシーンがあったけど、あの方は意思の疎通が可能だと見受けられました。しかも、拘束をしないだけでは、あんなに変わるか? 日中にデイサービスなどのような関わりがあり、落ち着いていったように見受けられます。だって、VTR、一般入院病棟じゃないですよね?
タイトルは一般病棟とあるのに、あれはないだろうが。一般病院であのようにイベント様な事はしないよね? 何かしらの特別対応がされていませんか?
集められ、意見を震えながら述べる現場スタッフに胸が痛みました。
だって、アナウンサーの質問、酷かったもん。現場スタッフが殴られたりする現実を伝えたのに「何で殴られたんですか」なんて。
少し気に食わない、触ったから、幻覚を見ているから、自分の言うこと聞かないから等あるかと思いますが、はっきりした理由なんて、説明出来ないですよ。
私だって、目の前にいたからとか、声掛けたからとかで、全力で殴られそうになってますよ。理由言ったら、それだけですか?とアナウンサーに疑われるんじゃないかな。
現実スタッフの諦めた感じが解って辛いわ。
討論と銘打っているのに番組の流れは下のような感じ。
拘束しなきゃ落ち着いて過ごせるじゃん。
拘束された人の気持ちは辛いでしょ?
拘束さるたら嫌でしょ?
だったら無くせばいいよね。
な流れ。番組の作りが一方的過ぎてムカついた。
私の職場は介護施設です。
骨折しているのに立ち上がろうとする人。夜中に帰ると言って、歩けないのにベッドを降りようとする人。ふらつきが酷いのに、迷惑かけるからと、ひっそりと歩き、転倒する人。着ている服を脱いで布団で排泄する人。
介護施設では基本拘束は出来ません。夜勤ではこれらの人が何人か被って泊まり、事故を起こさないように対応しなければいけないのです。職場は小規模なので、6人までですが対応は一人。同時に事が起きると、危険度が高い順に動きます。
事故が起きると責任は職員個人にかかります。骨折したり、打ち所が悪くて亡くなったりしたらどうなると思いますか?人数が多い現場だったらどうしますか。
拘束するなと言う家族程、事故が起きた際には責任を追求します。しかも、その家の患者や利用者は、スタッフに暴言を吐いたり、手を挙げたりする確率が高かったりします。
声を震わせていたのは、そんな現場で実際に対応しているスタッフなんです。責任を背負わされる個人なんです。事故現場に居合わせるかもしれない個人。
病院は人数も多いし、点滴やドレーン、器官チューブなんかもあるでしょう。引き抜いたら大変ですよね。認知症がある方は手術痕を自分で開たり、便を弄ったりもしますよ。状況がわからなくなり、叫んだりもします。
拘束には服薬や繋ぎ服を着せたりミトンの手袋をしたりする事も含まれます。縛るだけが拘束ではないんです。
今回の番組では拘束理由や複数のケースを紹介するといった事もありませんでした。
複数の現場を紹介もせず、本当は複数のケアの結果穏やかになった人を拘束を止めたら穏やかになったと紹介している。
拘束される人の家族はどんな人ですか。自宅での生活はどうなんですか。認知症の周辺症状が悪化する原因は家庭環境が大きな比重をしめていたりするんですが、その話も出てませんよね?
認知症高齢者が急増している現実を見ていますか。
在宅でみる事を国は推奨しています。しかも、近所が助け合い、ボランティアに面倒をみさせたらどうなんだとも言っています。
それならば、全国民には認知症病棟の看護助手か高齢者福祉施設(認知症が酷い方の多い施設)への半年就業を義務付け、拒否する人は高額の免除金を納めることにすれば良いのに。免除金は高齢者関連施設に人件費として分配。就業義務期間の給与は国から出す(←破綻するなぁ)くらいやらないと、高齢者問題は他人事としか思わないでしょ、高齢者に係わらない人は。
根本的に、番組の作りが他人事なのが、とても不愉快でした。
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