あなたは、自分の人生を、時間を失っても欲しいものはありますか?





夏の日のある朝、高二の塔野カオルは、『ウラシマトンネル』という都市伝説を耳にした。
それは、中に入れば年を取る代わりに欲しいものがなんでも手に入るというお伽噺のようなトンネルだった。
その日の夜、カオルは偶然にも『ウラシマトンネル』らしきトンネルを発見する。
最愛の妹・カレンを五年前に事故で亡くした彼は、トンネルを前に、あることを思いつく。
――『ウラシマトンネル』に入れば、カレンを取り戻せるかもしれない。
放課後に一人でトンネルの検証を開始したカオルだったが、そんな彼の後をこっそりとつける人物がいた。
転校生の花城あんず。クラスでは浮いた存在になっている彼女は、カオルに興味を持つ。
二人は互いの欲しいものを手に入れるために協力関係を結ぶのだが……。』本編あらすじより抜粋




まずこの作品の感想を一言でまとめると…

人生や自分の在り方が変わった気がする

です。もし興味を持っていて読むか迷っている方がいたら絶対読むべきです。





この作品は大きく2つの要素で構成されています。それは「主人公とヒロインの恋愛要素」と「人生において何を求めるか」。


1つ目の「主人公とヒロインの恋愛要素」はそのままですね。心に穴を持ち、空虚なまま現実を生きていた主人公と、特別に憧れる芯をしっかり持ったヒロイン。お互いがお互いに憧れ、惹かれ合い、相手を思うその感情同士のぶつかり合いは、見ている私達に暖かさと悲しさと、そして納得を与えなが物語を進めていきます。




2つ目の「人生において何を求めるか」。これこそがこの作品の特徴と言ってもいいかもしれません。当たり前の人生を失い過去を取り戻そうとウラシマトンネルに挑む主人公と、漫画家を目指すと共に特別に憧れてウラシマトンネルに挑むヒロイン。過去に捕われることも未来を目指す気持ちも等しく尊く、重い。この対極的な2人だけでなく、様々な人の在り方がこの作品の中にあり、そして私たちにもあり方がある。この作品を読むことで自分の人としての在り方を見つめ直し、変化をもたらしてくれることでしょう。




まとめ
この作品ではウラシマトンネルという手段が存在していますが、現実には残念なことに存在しません。だからこそ私達は過去と向き合わなければ行けません。ですが、本というのは新しい私を作ってくれると思っています。この「夏へのトンネルさよなら出口」は自分を変えてくれる作品の一つです。変化を求めている人も、自分が嫌いな人も、そうでない人も、是非この本を読んでみてください。

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