柊「みんなそういうけど私の声ってそんなにエロいですか?」
しゅうちゃんの言葉にみんなのコメントが湧き始める。
そのコメントを見て愛も変わらず人気がある彼に思わず笑みをこぼした。
ゆ「あ、初見さんだ。えーっと、初見さんいらっしゃーい、っと」
別にしゅうちゃんに頼まれたわけでもなんでもないんだけど・・・
それでもやっぱり私が大好きな人で、ただそれだけの気持ちで彼の手助けになればいいなぁって思ってやってきた。
ネット放送という小さい枠だけれども、彼、または彼女たちはしゅうちゃんの魅力に惹かれてやってきているのは手に取るようにわかってしまう。
それは、自分もそうだったから・・ってわけなんだけども!
ゆ「ただ話してるだけなのにね・・?」
いつの間にこんなに好きになってしまっていたんだろう。
そう自問自答しても何も解決しないのは事実で、それでも彼の声や言葉を聞いてふふふと小さな笑みをこぼした。
柊「ゆう、いつもありがとうね」
ゆ「は、はいっ?!」
唐突に言われたことに対して、反射的に返事をしてしまった。
しゅうちゃんに聞こえてないとしても、反射的に反応してしまったんだから仕方ない。
自分の気持ちに落ち着きを求め、私はキーボードに向き直る。
ゆ「ど、どういたしまして!」
ばくばくとする心音はだらだらと冷や汗を産んで流れていく。
もしも彼に伝えることが出来るのなら・・・
もしも彼が受け入れてくれるのなら・・・
そう考えては自分のありえない理想に頭を振った。
ゆ「・・・世の中、そんな甘くはない、よね」
しゅんっと画面に目を落とすと、しゅうちゃんのスカイプIDが貼ってあったのが見えた。
スカイプかぁ・・・・
ゆ「・・・登録、してみようかなぁ」
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柊「ゆうからスカイプ来るなんてびっくりした。」
ゆ「え?!あ・・め、めいわくでしたか?」
柊「違うよ。そういうことじゃない」
優しく笑ってしゅうちゃんは私の言葉に耳を傾けてくれる。
うわぁ・・・今しゅうちゃんと話せてるよ。
ふ、二人きりだよっ!
緊張に拍車がかかり、言葉が躓く。
柊「緊張してるの?」
ゆ「ひぇっ?!い、いえ、あの・・っ」
あわわとより慌ててしまう。
どうしてしゅうちゃんはこう鋭いんだろう。
柊「ゆう、わかりやすい」
くすくすとしゅうちゃんが笑う。
顔が熱いのが自分でもわかる。
それでもムキになる自分もいて、私はぐっと言葉を飲み込んだ。
柊「クスクス、ゆうはかわいいなぁ・・」
ゆ「か、かわっ?!」
しゅうちゃんの言葉のひとつひとつにドキドキしてしまう。
みんなに対してじゃない・・・紛れもなく自分に向かって告げられた言葉がこんなにドキドキするなんて思わなかった。
柊「いつもありがとう。ゆうのおかげで俺もみんなも楽しく出来てる」
ゆ「そ、そんなたいそうなっ」
しゅうちゃんの言葉が大きく重くのしかかってくる。
プレッシャーでも何でもないのに、とても重く重く感じてしまった。
ゆ「しゅうちゃんが大好きだからっ!しゅうちゃんが・・・みんなと楽しく話してるのが嬉しいから・・・っだから私・・・!」
柊「・・・うん」
しゅうちゃんの声が嬉しそうに聞こえた。
都合のいい幻聴だろうか?
私がこうあって欲しいという幻想だろうか?
しゅうちゃんはまた、くすっと笑った。
柊「俺も・・・ゆうのことすきだから」
ゆ「しゅうちゃ・・・ほ、ほんとうに?」
頭がぐるぐると回って何も考えられない。
それでもこみ上げるものは嬉しさとか色々あって。
ゆ「よ、よろしくお願いします!!」
柊「・・・はは、うん、こちらこそ」
これからも頑張ろうって思えたんです。
しゅうちゃんのために・・・
でもそれは私のためなのかもしれないけれど・・・
それでもしゅうちゃんのそばにいたいから