現在私は物販の仕事に関わっているが、社内を見ても社外を見ても基本中の基本である原価計算と利益計算が出来ない者が多い。

これは一般の従業員の話ではなく経営者の間での話である。

例えば売価1,000円の商品を400円で仕入れた場合の原価率は40%である。

その400円で仕入れた商品を売価1,000円で小売した場合の粗利益は600円となり粗利益率は40%となる。


その400円(原価率40%)で仕入れた商品を小売価格の売り渡し掛率55%で業者に卸販売をした時の粗利益は150円となり粗利益率は27.3%となる。

計算式は下記のとおりとなる。

(売上高-原価)÷売上高×100=粗利益率(%)

(550-400)÷550×100=27.3%

 

以上が正しい粗利益率の計算であるが、多くの者が「40%で仕入れたものを55%で売るのだから粗利益率は15%である」と間違った計算をしてしまう。正しい粗利益率27.3%を導き出せない。


更に製造メーカーともなれば日々変動する原材料の時価から正確な原価を計算しなければ粗利益の計算すらできない。

以前私が関わった某アイスクリームメーカーでは飾り付けのオーナメント一つ一つの変動する仕入れ時価まで計算して商品原価を出していた。当たり前の話である。

このため数ある商品の原価率はそれぞれ異なることになり、それに伴い当然ながら商品ごとに粗利益率も異なることになる。


私たちが携わる物販の商取引ではこの数字の把握なくしては経営は成り立たない。

しかしながらこれを出来ずにいる経営者がなんと多いことだろう。

当たり前のことをしないから結果が出ないにも関わらずそれに気づかない私たち。


これは難しいことではない。

小学5年生で学習する「割合」という単元を学んだ者なら少し努力して覚えれば出来ることであり、要は学ぶ気があるかないかである。

 

 

このような基本的な計算を出来ずに経営に関わっている方々が世の中に多いことに驚きを隠せないが、かくいう私の勤める会社の経営者も同じなので他人事ではないのだが。


それでいて十日えびすに会社で神社に行くの行かないのと経営者から話が出たりと。


私が思うに、そのような状態で神や仏に商売繁盛を祈るのは筋違いであり、その前に私たち人間は自分たちがすべきことをしないから苦しむのだという当たり前の道理と因果を改めて認識したい。
 

 

 

 

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