マックス・ウェーバーの支配三分類について以前書かせて頂いたが再度書かせて頂きたく思う。

 

彼の定義するこの世の支配三分類には1:伝統的支配、2:カリスマ的支配、3:合法的支配の3つがある。

 

 

1:伝統的支配

伝統的支配とはいわば「血筋」などによる支配である。

オーナー企業に見られる経営者の世襲制度がそれに該当し、経営の資質、適正がないにも関わらず血を引く息子や娘、孫を次期経営者に据えることにより支配を続ける、これが伝統的支配というものになる。

 

政治家はその地盤を息子に引き継ぐことによりその権力を代々にわたり維持する。

徳川の世では徳川に生まれれば力を持つ、それが伝統的支配である。

更に父系の家族制度などにおいて家長が絶対的な家長権によって家族員を支配統率し、未熟でありながらも父となりし者がその権力を振るう。夫が妻や子供を支配する、家族はその支配構造において最小単位のものとなる。


2:カリスマ的支配

カリスマ的支配とは預言者、英雄などの超人的な資質に対して自ら進んで服従するような支配関係であり、ある個人に備わった非日常的な天与の資質(カリスマ)がもっている権威であり、その個人の啓示や英雄的行為その他の指導者的資質に対する人格的な帰依と信頼に基づく支配である。

 

ヒトラーや新興宗教の教祖など、その他この例については私たちの身近なグループの長にまでその支配構造は至る。


3:合法的支配

合法的支配とは制定法規の妥当性に対する信念と、合理的につくられた規則に依拠した客観的な「権限」とに基づいた支配であり、逆にそこでの服従は法規の命ずる義務の履行という形で行われる。

つまり部下は上司に逆らえず雇用契約という法の下で絶対的服従を強いられる。これが合法的支配である。

 

 

 

以上、支配の三原則を挙げたがこれらの支配から逃れるには依存をしないことである。

 

2のカリスマ的支配に対してはまだ比較的その支配から脱することは出来るように思うが、1と2の伝統的支配と合法的支配についてはお金が絡み経済的自立が必要なためその支配から逃れるのは難しい。

 

支配から脱するため経済的自由を実現しようと無理な商売や借り入れ、投資などる金融信用取引に手を出すとそこには更なるトラップ(罠)が仕掛けられている。

 

 

昔の時代に比べれば平和で便利な世の中かもしれないが、現代は現代なりのこの強力な支配構造の中で私たち生き、そして家庭を持つ者は我が身を守りながら悔し涙をこらえ家族を守るために必死で生きる。

 

理不尽な世界ではあるが、それでもこれらを乗り越えこの人生を学びとし自己の成長の糧と出来るかどうかはすべて自分次第だと私は思う。

 

 

 

 

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