人は会社組織などにおいて隷属を強いられその苦しみから逃れようと経済的自立を目指す。

私たちは隷属や束縛から逃れ自由を得るために金を稼ぎ経済的自立を目指そうとするが、逆に金に使われ労働対価として自身の人生で最も貴重な「時間」を売ることによってそれを金に換える。


酒を飲むつもりが酒に飲まれるとは言うが、金で自由になるつもりがその金に自由を奪われる。


日常では何度も何度も同じ愚かなことを繰り返している人間模様が描かれ続けている。

かく言う私も何度も同じ失敗を繰り返している一人である。


そう言うお前は仮に自由になったらどうしたいのだと、それを自問してみる。

考えればしたいことが多すぎて一日24時間ではとても時間が足らないが、自分の場合それは自身が無知であることを自覚しており知らないことを知りたいという思いに尽きる。


以前にも同じことを書いたが人生の終わりを間近に控えた両親でさえその来たる時を目前としてもなお相続税や自身の葬式代をどう残すかで頭を悩ませている。

 

 

日常に目を向ければこれまで108円だったコンビニのおにぎりがたった一年か二年ほどで151円に値上がりした。

 

所得税や住民税、社会保険各種負担も年々増え、会社の高給取りとされる部長さんクラスで仮に月給50万円の給料を稼いでも今の時代では天引き額が多くなり実際の手取りは36万円程度となってしまう。20年前から見て2倍の負担増になった。

 

息子、娘を4年生大学に進学させるには一人あたり文系で最低500万円程度、理系で最低700万円程度の学費が必要になる。教科書代や交通費、下宿代などは勿論のこと別途追加で必要となる。

 

親が支払えない場合は子ども自身が借金をして大学卒業後40歳になるくらいまでその返済に追われることになる。

 

現代は多くの娘が教育ローンという多額の借金を抱えた身のままで嫁に行く。

 

 

昔のように田畑で自給自足をしようにも種が取れない遺伝子操作された(F1)品種を植えさせられ、毎年お金を出して業者から種が取れないF1品種の種を買えと政府は言う。

 

節約のためスマホなど高価なものは要らぬとしてもスマホなしの子どもたちは学校で惨めな思いをし精神を病んでしまう。

 

 

お金に囚われる人間は愚かだとは言われるが。

 

 

この世界で心清くお金に囚われず綺麗なままで過ごすことは本当に難しい。

 

これまで無償で済んだものが現代では次々に有料化が進んでいる。


しかしながら職は選ばなければあり、欲に支配されず目の前の現実から目を背けず誠実に取り組めば食べるものに困る時代でもない。

 

物質で満たされたこの時代でも人間の苦しみは無くならない。むしろこの便利な世の中で人間は満たされない苦しみが増していると言っても間違いではないように思う。


では私たち人間の苦しみの原因はどこにあるのか。


その答えは明確であると思う。


 



・・・