最近のネットではSNSと呼ばれる双方向的なコミュニケーションが中心となってきたが、それに加えてヤフコメ(YAHOOコメント)などに代表されるネットニュースなどに書き込まれる掲示板的な書き込みも今だに活発である。

そこで議論されているのがその「匿名性」であり、誰が発言しているのか分からないという点だ。

この匿名性には良い面と悪い面があり、特に私たち日本人にとってはその国民性から悪い面が出てしまっていると言われる。

私自身これまでアメリカ、イギリス、ニュージーランドなど何カ国かの方々とやり取りをしてきたが日本とはその国民性が明らかに異なる。

よく言われることでもあるが、彼らがYES or NOの意思表示をはっきりするのに対して日本人はYES or NOどちらなのか分からない曖昧な返答が多い。

「会社に持ち帰って前向きに検討します」

 

そのように言えばビジネス相手の彼らは後日良い答えが得れるだろうとかなり期待するが、日本では駄目な場合に用いられる言葉であることも多い。

最近はそうでもないが、以前はそのようなことが多かったようだ。


更に日本人の性質として

「言わなくてもこちらの思いを察して欲しい」

そのような場合が多々ある。

はっきり伝えて意思表示をすれば良いのに、私たち日本人はそれを言わずに相手にその気持ちを汲み取って欲しいと考え、それを美徳とする傾向にある。

そして自分が期待するような理解が得られなかった場合、相手に対して不満を持ったり恨んだりする。

更に相手に対し不満を持ったことに対しても相手にははっきりそれを伝えずに第三者の他者に陰口を言ったりもする。つまり日本人は陰湿な面もあるように思う。


更に移動しながら生活をする狩猟民族としての歴史がある欧米人と、それに対して定住して暮らす農耕民族である日本人のその歴史的背景を指摘する学者もいる。

日本人は古来より集落を形成し、長年同じ面々でその場所に定住しその性質からよそ者をつまはじきにして排斥したり仲間はずれにして集団で吊るしあげたりいじめたりする性質があると言われる。


ここで現代のネット上の匿名性の高いSNSの話に戻る。

誰が書いているのか分からないSNSで相手を非難したり、正義を振りかざし特定の相手を集団で攻撃して追い込んだりと、私たち日本人は特定の人物をネット上で集団リンチに近いことを平気でする。

芸能人の不倫ネタなどは典型的な例だ。

また有名人の不謹慎な発言などに対して一方通行の意見に偏り集団でその有名人などを責め業界からその存在を抹殺すらしてしまう。

いわゆる村八分状態にしてしまう。

 

これは小学校、中学校、高校と閉じられた友達のグループ内でのSNSでもいじめとして現在進行系の事象でもあろう。


勿論、このようなことは日本人に限ったことではなく欧米や中東でもあるだろうし、特に韓国は日本が比較にならないほどこの習性が酷いとされている。

日本人は世界的にはその精神性において良いように言われがちな現代であるが、私はそれに対しての偏見は危険だと考えている。

この日本人の一方向に流されやすい民族性、そしてはっきりと物を言わず内側で恨み心を抱く陰湿さ、これまで美徳とされているその日本人の精神には同時にそのような影も潜むように思う。

勿論、明治以降、欧米を見習い欧米に追いつけ追い越せの考えは危険であり、ある意味では西洋的な考えなどは間違っている面もあると思う。

かといって日本の全てが正しく日本が全て良いとも言い切れないとも思う。

日本文化の良いところは外国の文化を否定せずに彼らを尊重し受け入れながらも日本古来の独自文化を消し去らず、共存させ、時に外国の文化をミックスして日本独自の新しい独創的な文化を作り上げることにある。

それをするためには私たち日本人が寛容な心を持ち、相手を尊重し、何よりも私たちは精神的に成熟していなければならない。

新しく前例がないものでも良きものは良きものとして認め取り入れ、時代にそぐわないものは削り、逆に古くても良いものは大切に残す。

取捨選択をしながら視野の狭い世界にとどまらず視野を広げ寛容な心で日本独自の文化を創り上げていく。

異文化との融合はあってもそこに妥協はない。

武道、禅の精神にあるように、小手先の技術ではなく精神に重きを置く日本文化を大切にしながら技術立国であり続けることは簡単なことではない。

しかしながらその両立と実現こそが私たち地球人の真の成長であり私たちの進むべき道、私たちのあるべき姿だと私は思う。


誰に見習うでもない。

 

何を模範にするでもない。

 

 

独自のものを創り上げていくことが私たち日本人の使命であり地球人としての責任ではないだろうか。

 

 

このような浮世離れしたことを日常生活で口にでもすれば頭のおかしな者と思われるだろう。

 

 

しかしながら私は大真面目にそのようなことを考えている。

 

 

 

 

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